2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330141
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
村田 光二 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (40190912)
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Keywords | 自己の感情推論 / 他者の感情推論 / インパクトバイアス / 後知恵バイアス / 達成動機づけ / 食行動 / 自己制御 / 音声情報 |
Research Abstract |
他者の感情推論についてはすでに文章読解を用いた研究で一定の成果を得ているが、音声情報からも自発的に生起するかどうかを小森めぐみとの共同研究で検討した。その結果、音声情報からも自発的感情推論が生起すること、視点を変えることによってその生起に差異が生まれる可能性があることが示された。自己の感情予測についての道家瑠見子との共同研究では、まず、講義の期末テストを利用した現場研究を実施した。その結果、良い成績に伴う好ましい感情を予測した場合には、達成動機づけが高まることが示された。他方で、悪い成績に伴うネガティブ感情を予測した場合にも、それを避けるよう課題遂行に動機づけられる可能性が示された。次に、食行動に関わるインパクトバイアスについて行った研究では、映像で呈示された食物について食べた後の感情を予測させた場合には、バイアスが生じる証拠が得られなかった。これに関連して食行動の自己制御について渡邊さおりとの共同研究も実施して、食行動の自己制御場面で感情予測が果たす役割について示唆を得た。さらに、外集団成員との接触に伴う不快感について、感情予測のインパクトバイアスの観点から田戸岡好香と共同研究を実施したところ、一部の結果で集団間行動の文脈でも感情予測の過程が役割を果たす証拠を得た。以上に加えて、平成21年度から桑山恵真との共同研究として行っている後知恵バイアスの研究も継続しそ行った。その結果、テスト結果が悪かった学生が必然性に関して後知恵バイアスを示し、そうでなかった学生と比べて感情状態がポジティブになることを示した。以上の結果を、自己と他者の感情推論についての統合的な理論的枠組みの中に位署づけることを試みた。
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Research Products
(12 results)