2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトおよび霊長類がおこなう対象・身体・空間のイメージ操作の進化的理解に関する研究
Project/Area Number |
19330159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 Nagoya University, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 成樹 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (90396226)
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Keywords | イメージ操作 / 霊長類 / 進化 / 身体 / 空間 |
Research Abstract |
【ヒトを対象とした心的回転の実験III】 H19年度に行った実験を拡張し、「サルの手をヒトの手のように認識した」現象が、刺激が自分の左右の手のいずれであるかを判断させたことによるのか、あるいはサルの手がヒトの手と類似した形状によるためなのかを明らかにする実験を行った。具体的には、サルの手の替わりに軍手の写真を用いて昨年と同様の実験を行い、ヒトの手ほどではないが、軍手もサルの手も同じ程度「手のイメージを回転」させたときと同じ効果が得られることがわかった。詳細については分析中である。 【サルを対象とした心的回点の実験】 2個体のサルを対象に、後の見本合わせ訓練(テスト)で用いる刺激の正立像とその鏡映像を用いて同時弁別の訓練を行った。一個体ずつ一方を正刺激、他方を負刺激として訓練を行った結果、高い正答率に達し、これらのよく似た刺激を区別できるようになった。 続いて、それらの刺激を用いて、見本合わせの訓練を行った。現在、見本刺激に角度をつけた状態で訓練を継続中である。 【チンパンジーを対象とした訓練】 チンパンジーでは、ジョイスティックを用いたコンピューター課題および対面場面におけるはめ板課題を計20個体に実施した。コンピューター課題では、刺激によらず定型的は反応に終始する傾向が強かった。そのため、タッチパネルを利用したトラッキング課題導入した。また、はめ板課題では、円形と四角形をはめる訓練を実施したのち、左右を反転してテストを実施した。左右が変わるだけで調整が困難になり正答率が著しく低下した。そこで反転課題習得にむけ、補助訓練を実施している。
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