2007 Fiscal Year Annual Research Report
局所的情報取得に基づき広域情報知覚を提供する視覚触覚デイスプレイと人間の認知特性
Project/Area Number |
19330163
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
和氣 典二 Kanagawa University, 人間科学部, 非常勤講師 (20125818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 洋美 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (80122951)
河本 健一郎 中京大学, 心理学部, 助教 (80367656)
張 善俊 神奈川大学, 理学部, 准教授 (70261386)
葭田 貴子 東京大学, 工学部, 特任研究員 (80454148)
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Keywords | 2重課題 / 有効視野 / 視覚の変化検出課題 / 高齢者 / 地下街のQOL / アイリンク / 制限 / 触覚の変化検出課題 |
Research Abstract |
本研究では、局所的情報の取得から広い視野や大きな触対象を知覚している仕組みの解明をはかるため、基礎的見地と同時に応用的見地から視覚的・触覚的注意の特性を調べた。先ず、(1)視覚的注意の研究として2重課題を用いた色の有効視野を検討した。黒背景では、多くの色は網膜上で偏心度が増すと、正答率は低下する。だが、青と黄は偏心度が増しても正答率は低下しない。つまり、青と黄は有効視野が他の色より広い。だが、白背景や自然画像の背景では、青の視野は広いが、黄は他の色と同様に狭くなる。(2)視覚の変化検出課題を用いて、高齢者と若年者の比較を試みた。それによると、高齢者は若年者より長い反応時間を示した。その結果からhold(記憶項目数)を算出すると、高齢者のholdは若年者よりわずかに小さい。その原因を調べるため、one shotパラダイムを用いて高齢者と若年者の比較を試みた。次に、(3)応用的立場から交通場面のうち昼間時の晴天と雨天を取り上げ、信号や標識のon/offあるいは路上の白線などのon/offという変化検出課題を作り、運転に慣れている人と慣れていない人に観察させた。その結果、直接運転にかかわるようなものの反応時間は短いが、路上の白線や建物の反応時間は短い。また、運転に慣れている人の方が慣れていない人より反応時間は短いという知見を得た。(4)注意の研究の応用例として、地下街のQOLの研究を行った。トイレなどの存在を示す標識が見やすいかを含む質問紙を予備調査をもとに作成した。さらに、名古屋市の地下鉄9駅の構内を歩き、質問紙に回答してもらった。現在、データの解析中である。4)眼球運動計測装置(アイリンク)の視野を円形に制限することができた。そこで、視野制限のもとでパタン認識の実験をした。その結果、視野が直径8°以下になると正答率が低下した。このとき、サッカード運動の振幅や回数がデータを説明するようである。(5)触覚の変化検出課題を用いて、高齢者と若年者を比較すると、高齢者の反応時間は若年者より顕著に長かったし、holdも小さかった。特に触覚のholdは視覚に比べて極端に小さいことを明らかにした。6)ファントムが触覚系の実験に使用することが可能かについて現在プログラムを検討している。
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Research Products
(5 results)