2010 Fiscal Year Annual Research Report
局所的情報取得に基づき広域情報知覚を提供する視覚触覚デイスプレイと人間の認知特性
Project/Area Number |
19330163
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
和氣 典二 神奈川大学, 視科学研究所, 客員教授 (20125818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 洋美 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (80122951)
河本 健一郎 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (80367656)
張 善俊 神奈川大学, 理学部, 准教授 (70261386)
斎田 真也 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (90357054)
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Keywords | 変化の見落とし / 高齢者 / 眼疾病者 / 眼球運動 / コントラスト感度 / 明るさの恒常性 / 力覚ディスプレイ / 地下空間のQOE |
Research Abstract |
1)視野障害を有する眼疾病者について、ターゲット検出のための眼球運動を測定した。視野や視力に障害があるため調整に手間取るが、3名の測定に成功した。現在、健常者の制限視野の結果と比較しているが、今後はケースを増やしてゆく予定である。2)中心視にRSVPを課し、周辺に提示された白黒ガボールと色ガボールのコントラスト感度をスクリーンにターゲットを提示した実験では、偏心度が大きくなると、全ての空間周波数において感度は輝度コントラストと色コントラストにおいて低下することを明らかにした。3)周辺視における明るさ知覚については、2重課題の条件で中心視と周辺視における明るさ判断の比較を行った。その結果、中心視より周辺視の方が明るく判断されるという結果を得たが、明るさの恒常性の研究では、表面色モードのとき、低輝度のとき中心視より周辺視の方が明るく、しかも白く知覚されている。4)Magee & Kennedyが示唆した実験者が観察者の指を持って図形を誘導する場合であっても優れた成績を示すことを力覚ディスプレイ(PHANTOM)を用いて検討した。その結果、目的志向のない運動感覚に触覚が加わった条件や運動感覚のみでもある程度パタン把握ができることを示した。5)複合図形や重なり図形を先天盲・後天盲の触覚によるパタン知覚とロービジョンの視覚のパタンを比較し、先天盲や幼時に失明あるいはロービジョンになった人では、奥行きが知覚しにくくなることを示した。6)地下空間をQOE (quality of environment)という面からとらえるため、東京メトロの8駅構内を歩いたときの印象を質問紙で評価した結果、自分が必要とする案内看板や路線図・運賃表の視認性や視覚的注意が高齢者やロービジョン者にとって重要であることを明らかにした。7)画像処理技術を用いて広域領域の情報取得の可能性を種々検討し、RSAおよびMDSのアルゴリズムを利用して電子透かし技術を実現した。
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Research Products
(23 results)