2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会的に排除された若者の自立支援における社会関係資本形成の意義に関する実証的研究
Project/Area Number |
19330165
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 隆志 Hokkaido University, 大学院・教育学研究院, 教授 (10190761)
|
Keywords | 若者自立支援 / 社会的ひきこもり / 非行少年 / 多文化間教育 / ソーシャル・キャピタル / 移行過程 / 地域就労支援 / 生きづらさ |
Research Abstract |
本年度は、社会的に排除された若者たちの移行過程に焦点を当てて、移行の困難性の解明と移行支援の課題と方法を探究することに課題を絞り込んだ。具体的な調査等は以下のように実施した。 (1)浦河べてるの家参与観察、(2)ネットワークサロン釧路支援実践調査、(3)ネットワークサロン釧路に関するワークショップ、(4)大雪青少年交流の家「職セミナー」参与観察調査、(5)若者自立塾、横浜市ユーストライアングルに関する調査、(6)大沼学園卒業生追跡調査の検討会、(7)ネットワークサロン釧路当事者・支援者調査、(8)北アイルランド調査・国際セミナー、(9)北海道若者サポートステーション当事者調査、(10)なみはや高校調査、夜間中学調査、(11)青少年自立支援施設ビバ当事者調査、(12)大沼学園卒業生追跡調査、(13)職セミナー関係者調査 (1)(2)は地域生活への移行支援実践の2つの典型として、比較研究に展開している。(4)(13)は美瑛町内の農家等での職業体験を基軸にした若者支援諸団体の協同支援実践に関する調査である。(6)(7)(9)(11)(12)は移行支援組織の協力を得た当事者追跡調査である。(8)は北アイルランド・デリー市を中心にした移行支援実践の比較研究である。Letterkenney Instituteにおいて国際ワークショップを開催し、活動理論を基盤とした地域成人教育論の可能性について確認することができた。(10)は文化的境界を生きる若者たちの支援実践に関する分析である。以上を通じて、生きづらさの構造については、自己内他者の形成と人格の構造との関連に着目した分析枠組みの有効性を確認しつつある。支援実践については、「地域支援コンソーシアム」として支援組織間の関連を視野に入れた分析枠組みの必要性を確認している。
|
Research Products
(9 results)