2007 Fiscal Year Annual Research Report
「わざ」の継承に働く「知」の構造を解明する-新たな学習術理の創成に向けて
Project/Area Number |
19330172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 晶子 Kyoto University, 教育学研究科, 教授 (10231375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 直 京都大学, 教育学研究学, 教授 (90228205)
小田 伸午 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (10169310)
今井 康雄 東京大学, 教育学研究科, 教授 (50168499)
金森 修 東京大学, 教育学研究科, 教授 (90192541)
生田 久美子 東北大学, 教育学研究科, 教授 (80212744)
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Keywords | 教育学 / 運動生理学 / 認知科学 / 学習術理 / 身体論 / わざ / 伝統芸能 / 知識 |
Research Abstract |
「近代スポーツ班」は、サッカーキックの左右の違いと、トラップからパスまでの一連の動作を客観分析することを目的に実験をおこなった。その結果、インサイドキックを左右で蹴ったときにおける、利き脚の左右によらない左キックと右キックの動作上の違いを明らかにした。さらに、トラップからキックまでの時間の短縮には、トラップ開始までの動き出し時間の短縮が関係していることを突きとめた。また、日本サッカー草創期(メキシコ五輪世代)に影響を与えたD.クラマー氏や釜本邦茂氏などをゲストに技術の伝承に関して聞き取り調査・ワークショップをおこなった(小田・鈴木・西平)。「伝統技芸班」は、書道の伝書をわざの伝承という観点で分析した。また、わざをミメーシス・ポイエーシス・パフォーマティヴィティの連関から捉えなおす日独比較研究を行い、日独両国で発表した(鈴木)。「伝統芸能班」は、モーションキャプチャの撮影技術講習会を2回開催し、海賀孝明氏(わらび座・エンジニア)の指導のもと、踊り手にフラを踊ってもらいデータを記録・分析。また、ハワイにて伝統芸能「フラ」の身体の動きのデータをモーションキャプチャで採り、及びフラの指導者へのインタビューを実施した(生田)。それらに加えて、西平は世阿弥の稽古哲学に関して文献研究を進めた。東洋哲学と演劇論という二つの異なる視点から、「わざ」と「無心」の逆説的関連など、その稽古の思想を分析。金森は、現代日本の身体論の系譜を調べ直し、とくに湯浅泰男・市川浩の調査を続行している。今井は、教育の意図的な作用の側面が教育学においてどのようにテーマ化されてきたか、またされうるかについて考察を行った。さらに、協力者を含め研究組織全体の研究会を行い、チームの組織化、研究計画の練り上げ、途中経過発表などをおこなった。
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Research Products
(33 results)