2008 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児への包括的な教育支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19330211
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡部 匡隆 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (30241764)
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Keywords | 特別支援教育 / 行動障害 / 広汎性発達障害 / 治療教育 / 包括的支援 |
Research Abstract |
本研究は、広汎性発達障害児に対する包括的な教育支援プログラムの開発を目的に、(1)障害特性の理解と支援、(2)地域での生活支援、(3)支援の質の管理のための臨床及び調査硬究からアプローチしている。平成20年度は、平成19年度までの研究を基盤としながら以下の取り組みを実施した。 (1)に関しては、相手の感情や意図理解の特性の解明とその支援法の開発、社会的な状況理解の支援法の開発、協調行動(相談・話し合い)の支援法の開発、他者との伝達・聞き取り行動の支援法の開発を進めてきた。 (2)に関しては、広汎性発達障害のある中学生を対象に、自己決定に関する支援を実施した。1つは中学生の女子生徒に対して自らの望み(WANT)について意思表明させ、支援者との対話の中で実現していく「夢プロジェクト」を企画しその効果と支援方法の検討を事例的に実施した。もう1つは5名のグループにおいて自分たちの望み(WANT)について意思表明をさせ、共同して実現していく「本人活動」を企画しその成果と支援方法の検討を実践的に行った。 (3)に関しては、カリフォルニア州とニュージャージー州への調査研究を行い、個別教育計画(IEP)を基盤にした支援のマネージメント方法に関するシステムや方法について検討した。 平成20年度は上記の取り組みと並行して、知的障害を伴わない広汎性発達障害児の教育支援の拠点となる清緒障害通級指導教室の共同研究による包括的な教育支援プログラムの実地検証を行うことを計画していた。現在、通級指導教室への対象児童にアセスメントを実施した段階である。平成21年度は、それらの結果を踏まえて実際の教育支援を行い本介入プログラムの効果についてさらに実地検証を続ける予定である。
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Research Products
(9 results)