2009 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児への包括的な教育支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19330211
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡部 匡隆 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (30241764)
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Keywords | 特別支援教育 / 行動障害 / 広汎性発達障害 / 治療教育 / 包括的支援 |
Research Abstract |
本研究は、広汎性発達障害児への包括的な教育支援プログラムの開発をねらいに、1.障害特性の解明とそのアセスメント法の開発、2.社会参加のための指導プログラムの開発、3.支援の質の管理方法の検討を進めてきた。本年度は、研究の最終年度にあたり、指導プログラム開発のための臨床研究を継続実施するとともに、指導プログラムめ成果について検証を進めてきた。 臨床研究については、新たに高校生段階の知的障害を伴わない広汎性発達障害児に対して自己開示と自己洞察を深め、仲間と思いを共有する活動を展開してきた。それらにより、小学校段階から高校段階における知的障害を伴わない広汎性発達障害児の人間関係形成プログラムめ原型を構築することができた。 また、これまでに教育支援プログラムを適用された対象児について、その行動変容と学校や家庭での適応状況を調査した結果、学校や家庭での適応状況が大幅に改善されたことが明らかになった。一方、対象児については、変容が確認された行動と、変容がみられにくい行動を明らかにすることができた。以上のことから、本教育プログラムの有効性が明らかにされるとともに、広汎性発達障害児の障害特性のより明確な把握と、教育支援の対象となる行動と環境的援助が必要な行動について確認することができた。 現在、開発してきた指導プログラムは、広汎性発達障害児への人間関係形成プログラムとして集約し、出版準備を進めている。また、教育支援プログラムのシネテムや運用方法などの整理・検討を引き続き行い、学齢期段階における広汎性発達障害児への教育支援システムの構築を図っていく計画である。
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Research Products
(8 results)