Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一浩 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80270362)
安藤 良文 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80001840)
大本 亨 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20264400)
岩瀬 則夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (60213287)
高山 晴子 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教 (90274430)
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Research Abstract |
可微分写像の特異ファイバーに着目し,可微分構造との関係について調べるため,種々の状況で特異ファイバーの分類をまず行うのが当初の計画であった.これについては,既存の場合より対象とする写像の範囲を広げ,さらに分類の基準となる同値関係を整備した.特に,これまで多重写像芽にしか定式化されていなかったK-同値の概念は,特異ファイバーに沿った写像芽に対しても定式化される.それによる分類を行ってポントリャーギン-トム構成を適用することにより,特異ファイバーの分類空間が構成できることも分かっている.そこで今年度はこのK-同値による分類のための準備を,研究支援員の協力を得て行った.また,特異点消去のためのホモトピー論的障害の研究を当初の計画にあるように進め,ある種の次元対に対して,与えられた多様体が折り目写像を許容するための障害類を,ポストニコフ分解の観点から明らかにすることに成功した.さらに,特異写像の同境分類についても関連して研究し,円周へのモース写像の同境群を,曲面への安定写像のカスプ消去の方法を用いて完全に決定することに成功した.この結果の応用として,平面へのジェネリックな写像芽の安定摂動に現れるカスプの,符号付き個数の位相不変性を示すことができた.また,定値折り目特異点の消去を利用して,4次元多様体上に折り目付きレフシェッツ束が構成できることに気が付いた.これは4次元多様体上のシンプレクティック幾何学や微分構造の理論とも密接に関係する.今後はこれを発展させて,当初の重要な目的の一つである,ジェネリックな写像の組織的構成に役立てる予定である.
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