2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石毛 和弘 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90272020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
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Keywords | 熱方程式 / 解の最大点挙動 / 解の微分係数の減衰 |
Research Abstract |
今年度においては,ポテンシャル項付き熱方程式の解の最大点の挙動の研究を行いさらにその応用・発展として半線形熱方程式の爆発問題に関する藤田指数の研究も行った. (1)熱方程式の解の最大点挙動について:ここ数年にわたる熱方程式の解の最大点挙動の研究の発展として,ポテンシャル項付き熱方程式の解の最大点の挙動について,大阪府立大学の壁谷喜継氏とともに研究を行った.熱方程式の解の最大点の挙動を研究することは,解の形状を調べる上で基本的な情報を与える.この共同研究により,ポテンシャル項付き熱方程式の解の最大点挙動は,ポテンシャル項の空間無限遠点での挙動に,その正値調和関数を介して,強い影響を受けることが明らかになった.本研究の証明は,熱方程式の自己相似性から導き出される変数変換を解に施すことによって為されるが,この変数変換により,ポテンシャル項から原点に時間の経過と共に増大する特異点が派生する.しかし,この特異点を比較原理や球対称解への帰着とその解析を通して克服し,さらに以前の結果と合わせることによって,本結果の証明が為される. (2)半線形熱方程式の爆発問題:(1)の研究の応用として,ポテンシャル項付き半線形熱方程式の正値大域解の存在・非存在に関する藤田指数の決定問題に取り組んだ.本研究により,ポテンシャル項が逆2次で減衰する場合についてその藤田指数を決定した.これ以前には,今回取り扱った場合については,藤田指数の存在についてのみ示されており,熱方程式の解の最大点の挙動の研究で得られた詳細な解挙動が今回の進展に大きな寄与を与えたと考えている
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