2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高角度分解能エックス線望遠鏡からエックス線干渉計への発展的研究
Project/Area Number |
19340047
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北本 俊二 Rikkyo University, 理学部, 教授 (70177872)
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Keywords | X線天文学 / 宇宙科学 / X線撮像 / 補償光学 |
Research Abstract |
本年度は、13.5nm直入射望遠鏡の撮像実験で大きな進展を見せることができた。昨年度、ほぼ全系を整えたX線望遠鏡の試作機とレーザープラズマ光源とで、光学系の収差を定量的に測定できるようになった。そして、重要課題であった、光学系補償用のレーザー光と目的の撮像したいX線等との行路差による違いを克服するための実験を行うことができた。さらに、X線による撮像で、撮像性能を分解能として測定することもできるようになった。まず、補償用のレーザーと目的の光との行路差の違いは、レーザープラズマ光源と同じ経路を通る別の可視光レーザーを用いて、補正方法の考案とその有効性の検証を行った。同時に光線追跡プログラムで計算機上での補償のシミュレーションを行った。実験では、測定波面をZernike展開することで、補正を各成分毎に行った。低次の項から系統的に補正を加えていくことで、最良の目的像が得られるパラメーターを探した。現在ザイゼルの5収差までを補正する量を決定した。その結果、経路による違いを補正することで、解像度が大きく改善することを実験的に明らかにした。結果として2.1秒角という、可視光での回折限界の光学系とすることができた。さらに、レーザープラズマ光源を使ったX線撮像実験を行った。X線でも同様に行路差による補正項を求める必要があるが、現在のところ、まだその補正に至っていない。さらにまだ、可視光の混入という問題が残っており、現状での性能は可視光の回折限界である2.1秒角にとどまっている。 X線干渉計の検討を進めている。X線によりたいへん効率的であると思われる干渉計の構成を考えつき、現在その実証への準備を始めたところである。
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Research Products
(4 results)