2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高角度分解能エックス線望遠鏡からエックス線干渉計への発展的研究
Project/Area Number |
19340047
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北本 俊二 Rikkyo University, 理学部, 教授 (70177872)
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Keywords | X線 / 干渉計 / 多層膜 / 補償光学 / 望遠鏡 / レーザープラズマ光源 |
Research Abstract |
この研究は将来、ブラックホールをはじめとする天体の超精密撮像観測を目指すための基礎実験であり、段階的にまた継続的に研究を進める予定である。本申請研究では、ふたつの目標を掲げ、以下の成果を上げる事が出来た。 (1)これまでいろいろな研究費を投入して、多層膜反射鏡を使った直径80mmの口径で波長域を13.5nmに特化した直入射X線望遠鏡である「X-mas Telescope」を作り上げてきた。この望遠鏡は補償光学を搭載したX線望遠鏡である。本研究課題は、X線撮像実験を実行し、撮像能力の改善を定量的に評価することである。本望遠鏡の特徴である、補償用の参照光源が撮像光と行路が異なる点を、補償光学で用いる目標波面を修正することで、像の改善を目指す方法を試みた。レーザープラズマ光源を導入してX線により撮像実験を行い、角度分解能を補償前の3.10秒角から、補償後の2.08秒角への改善を確認した。これで、補償光学望遠鏡としての機能を確かめる事ができた。 (2)X線干渉計の開発を始めた。新しいタイプのX線干渉計として、ビームスプリッターを使った斜入射型の干渉計の可能性を検討した。そのために、同じ形式で可視光レーザーを使った干渉計を作成し、干渉縞の取得を行い、それぞれの鏡の取り付け精度の検討を行った。鏡がずれた時の干渉縞のデータから、検討結果の妥当性を確かめた。X線の干渉計は、ピエゾ素子を使用し、駆動精度を数nm程度にすることで可能であるという結果が得られた。さらに、X線による干渉計の実験のための、コヒーレントX線光源を製作した。これは、高輝度のレーザープラズマ光源からのX線をキャピラリーで集光し、集光点に1~2μmのピンホールを設置することで実現した。
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Research Products
(9 results)