2007 Fiscal Year Annual Research Report
非対称核子系における単一粒子軌道の変化と集団運動発現機構の解明
Project/Area Number |
19340061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下田 正 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (70135656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田原 厚子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30264013)
福地 知則 (独)理化学研究所, メタロミクス研究ユニット, 協力研究員 (40376546)
鈴木 智和 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (80506395)
宮武 宇也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50190799)
平山 賀一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30391733)
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Keywords | 中性子過剰核 / 魔法数の変化 / 単一粒子軌道 / スピン偏極 / β崩壊の非対称度 / 28,29Mgの構造 / スピン・パリティ / カナダ国立素粒子原子核研究所 |
Research Abstract |
強い相互作用のもとでの核子多体系である原子核では、殻構造という特異な構造が現れるが、中性子数や陽子数を大きく変化させたときに殻構造がどのように変化するのかという情報は、核内核子・核子間相互作用を理解する上で極めて重要である。本研究は、中性子過剰なMgの同位体において予測される魔法数20が魔法数でなくなり、集団運動が出現する機構を調べることを目的としている。特に、我々独自の手法である、スピン偏極したNaの同位体のβ崩壊を観測することによって、ほとんど知られていない29Mg、30Mg、31Mg、32Mgの励起状態のスピン・パリティを決定する。 2007年度は、上記の実験を行うための実験装置の設計・製作を行った後、カナダ国立素粒子原子核研究所TRIUMFに輸送し、11月末から12月にかけてスピン偏極した28Na、29Naビームを用いた実験を行った。我が国から12名、カナダ側3名からなる国際共同研究チームによる。 娘核28Mg、29Mgが放出するガンマ線を9台のGe検出器で測定し、それぞれのガンマ線と同時計測されるベータ線の非対称度(偏極方向と逆方向)を測定した。28Mgでは、これまで未知だった準位が一つ発見された。さらに、これまで1+と言われてきた準位のスピン・パリティは2+である可能性が濃厚であるという結果を得た。29Mgでは2つの準位のスピン・パリティを初めて確定することが出来た。この1年間の研究活動によって、来年度以降の30Mg、31Mg、32Mgの構造を突き止める実験の足がかりを築いたと言える。
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Research Products
(3 results)