2008 Fiscal Year Annual Research Report
レプトンフレーバー混合構造決定法に関する理論的研究
Project/Area Number |
19340062
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
南方 久和 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (00112475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 修 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50183116)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー混合 / 非標準的ニュートリノ相互作用 / ニュートリノ質量の階層性 / CP非保存 / MSW機構 / 長基線ニュートリノ実験 / 地球内物質密度 |
Research Abstract |
●ニュートリノの非標準的相互作用(NSI)が存在する場合のニュートリノ振動現象の多様性を統一的に理解できるような摂動論的枠組みを提出した。セルベラ達の公式として知られる摂動論の枠組みを拡張し、 NSIを含めた定式化を行い、全てのチャネルの2次(電子ニュートリノ関係3次)の振動確率公式を導いた。驚くべきことに結果は単純で、標準的な場合の大気・太陽変数を、それぞれNSIを含む一般化されたもので置き換えるだけでよいことが分った。この中でパラメター決定の問題、標準的・非標準的相互作用パラメター問の混乱の問題についての一般的・包括的理解を得た。さらに、 NSIを含む系におけるパラメター縮退の問題を議論し、通常型の縮退がNSIパラメターを含む形で拡張されることを示した。この中でNSI系の特徴による全く新しい形のパラメター縮退を見いだした。 ●数年前に梶田・南方等が提案した「J-PARCからのニュートリノを用いる神岡・韓国2検出器系」の設定で上記のNSIの他、ローレンツ不変性の破れなどの新しい物理の効果がどう取り出せるかについて議論し、またこの感度評価を行った。量子論的なコヒーレンスの破れやミュータウチャネルのNSIパラメターに対して高い感度が期待できることを示した。 ●将来の天の川銀河内超新星爆発時のニュートリノ観測に関する研究を行った。水チェレンコフ検出器を用い、支配的である反電子ニュートリノを捉えるチャネルに限った議論を行った。スペクトルのゆがみパラメターを含むイベント再構成フィットを行うと連続的なパラメター縮退が生じることを発見した。この縮退は真剣にその計画が議論されているハイパーカミオカンデなどのメガトン級の水チェレンコフ検出器によっても解けない「頑健」なものであることも見いだした。
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Research Products
(12 results)