2007 Fiscal Year Annual Research Report
B中間子崩壊のQCDによる研究:QCD因子化のユニバーサルデザインその予言精度
Project/Area Number |
19340063
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 和廣 Juntendo University, 医学部, 准教授 (70263671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 浩之 理化学研究所, 延與放射線研究室, 協力研究員 (30415137)
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Keywords | B中間子 / 崩壊 / QCD / 光円錐波動関数 / 重いクォーク / グルーオン / HQET / 素粒子論 |
Research Abstract |
B中間子崩壊の理論計算の、最も首尾一貫したQCD因子化の枠組みを新たに提案するための第1ステップとして、B中間子光円錐波動関数を、演算子積展開を用いて係数関数と局所演算子に分離する計算を完了させた。係数関数については1ループ補正を、局所演算子については次元5のものまでを完全に取り入れた。光円錐波動関数のくりこみスケール依存性を支配する発展方程式についても、座標表示での解析的な解の導出に成功した。演算子積展開において、局所演算子行列要素の値には実験からの情報およびQCD和則の評価に基づくものを代入し、また、発展方程式の解を用いて2重対数型のものを含めてスケール依存性を正しく取り入れ、光円錐波動関数の振舞いを、クォーク・反クォーク問の距離の関数として定量的に調べた。従来は無視されていた、次元5の演算子は長距離で大きな寄与を与える。一方、次元5の複数の演算子の間で比較すると、クォーク・反クォーク・グルーオンの3体タイプの演算子の寄与は主要ではないことがわかった。同様なパターンは次元5を超える場合にも期待され、これが成り立つ場合に、長距離領域での高次元演算子の主要な寄与を任意次元まで足し上げる方法も与えた。これらの結果は、研究代表者と分担者により、国内・国際研究集会、およびPoS誌上に発表された。また、2重対数型のくりこみスケール依存性を扱う系統的な手法を発展させるため、B中間子崩壊以外の過程におけるソフトなグルーオン放出の、摂動論の任意次数での"再足し上げ"にも着目してQCDに基づく理論的予言を行い、国内・国際研究集会、およびProgress of Theoretical Physics誌上の招待論文やPhysics Letters B誌上等の論文として発表した。以上の研究推進のため、研究支援者を1名雇用した。
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Research Products
(21 results)