2009 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本背弧の下部地殻・マントルの電気伝導度構造の解明
Project/Area Number |
19340127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大志万 直人 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (70185255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 令慧 京都大学, 防災研究所, 助教 (50346061)
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Keywords | 電気比抵抗 / 電気伝導度構造 / 地殻構造 / 地震発生場 / 地球内部電磁気学 / 地球物理学 / 西日本背弧 / 山陰地域 |
Research Abstract |
本研究の目的は、鳥取・島根沖の日本海海底、および、その測線延長部の陸域で長周期磁場電場観測を実施し、得られた電場・磁場データを基に、MT法のみならず、GDS法・VGS法といった複数の地球電磁気学的構造探査法を併用して、山陰地方での広帯域MT法観測により、すでに見出されている陸域の下部地殻に存在する高電気伝導度領域の日本海側境界、深さ方向への広がりを高い精度で明らかにすることである。平成21年度は、観測に関しては陸域での長周期観測を4観測点で約4ヶ月間実施した。第1測線(東経134.3度)の瀬戸内地域周辺の補充観測、および、第2測線(東経133.2度)の南側延長部である。解析に関しては、平成21年度中に観測を実施した観測点を含め時系列データ解析を行い探査情報(見かけ比抵抗および位相情報)を得た。ただし、第1測線、第2測線共に日本海から脊梁を越え、南下するに従ってノイズの影響が予想以上に強く探査情報の長周期側の質がどうしても改善できなかった。そのため、陸側の長周期MT観測点は、山陰側から緯度35.1度付近までの観測点情報しか、比抵抗構造推定のための情報としては活用できない。海域・陸域の探査情報を基に、インダクション・ベクトルや位相テンソルの観測域の空間分布を求め海の薄層近似モデルによる結果と比較を行ったところ、地下比抵抗構造は単純な2次元構造ではないが電気伝導度の高い領域が北東-南西方向に走行を持ち存在している可能性を示唆していると考えられる。また、これらの観測・解析の実施と平行して浅海用のOBEMの開発も実施し、試作器を完成させた。
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Research Products
(11 results)