2008 Fiscal Year Annual Research Report
氷コア解析に基づく北部北太平洋への陸起源物質降下量復元
Project/Area Number |
19340137
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
白岩 孝行 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 准教授 (90235739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的揚 澄人 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30391163)
山懸 耕太郎 上越教育大学, 学校教育学部, 准教授 (80239855)
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Keywords | 雪氷コア / 気候変動 / 地球温暖化 / アラスカ / 高山環境 / 氷河 / 流動 / 雪氷 |
Research Abstract |
北米大陸最高峰のマッキンリー山の近傍、アラスカ山脈オーロラ山の北東に位置する氷河上の分氷界において掘削された、全長180.17mの雪氷コアの各種分析を実施した。 総合地球環境学研究所においては、低温室において、雪氷コア全部の層序を透過光下において観察し、气泡、氷層・氷板、汚れ層・白濁層などの分布を記載すると同時に、円柱状の氷コア試料をバンドソーによって切断・分割し、種々の分析のための試料作りを実施した。氷板の分布は深度によって大きく変動することが明らかとなり、その多寡は相対的な夏の気温変動の指標となることが期待される。 北海道大学低温科学研究所においては、酸素・水素同位体比測定を実施した。このため、Micromass社製のIsoPrime PyrOHをレンタルし、水素同位体比を測定した。酸素同位体比については、現有のFinnigan MAT Delta Plusを用いて測定した。主要イオン、微量金属測定はそれぞれイオンクロマトグラフィーと原子吸光分析装置を用いて測定した。 上越教育大学においては、雪氷コア中で発見された火山灰の分析を実施した。これらの種々の分析は現在も継続中であり、平成21年度中に完了する予定である。 一方、雪氷コアの掘削と同時に実施された、GPSを用いた高精度表面流動速度観測、氷河表面の測量、並びに氷河底面の電波探査で得られたデータを用い、掘削孔周辺の氷河動力学の解析を実施した。平成21年度までには、この氷河の流動モデルを構築し、掘削地点の歪についての量的検討が可能となる予定である。これにより、酸素・水素同位体比の季節変動によって求められる年間層厚を、氷河表面での堆積時における年間質量収支に換算可能となる予定である。 本年度までに得られた成果は、平成20年9月24日に東京大学で開催された(社)日本雪氷学会全国大会において発表した(三件)。
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Research Products
(3 results)