2009 Fiscal Year Annual Research Report
大型短波レーダーによる中・高緯度電離圏プラズマー超高層大気相互作用の研究
| Project/Area Number |
19340141
|
|---|
| Research Institution | Nagoya University |
|---|
Principal Investigator |
西谷 望 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 准教授 (10218159)
|
|---|
| Keywords | 大型短波レーダー / 電離圏、熱圏 / 中緯度-高緯度間結合 / 伝搬性電離圏擾乱 / 電離圏電場変動 / SuperDARN |
|---|
| Research Abstract |
電離圏・熱圏変動のうち、ジュール加熱に深く関連しSuperDARNレーダーで観測できる電離圏電場変動現象と、伝搬性電離圏擾乱等の超高層大気関連現象の間の相互作用の解明に焦点を置き、同じ観測手段で同時に二つの現象を観測できるSuperDARNレーダー、特に2006年11月に稼働を開始した北海道-陸別HFレーダーをフル活用し、SuperDARNが従来対象外としていたサブオーロラ帯から中緯度地方にわたる領域について、両者の間の相互作用のメカニズムに関する解明を進めた。
今年度においては、昨年度と同様北海道-陸別HFレーダーの観測を継続し、データの蓄積およびデータベースの整備を進めた。結果、年度末には3年強にわたる期間のデータベースを構築することができた。また今年度においては、電離圏エコーのデータより電離圏電場分布を適切に求める手法を開発に取り組んだ。その結果、北海道-陸別HFレーダーが得意とする地磁気緯度40-60度の領域における統計的対流分布およびその季節・地磁気活動依存性を得ることに成功し、今後のさらなる統計解析のための基盤を確立した。この基盤を活用して、地磁気擾乱時に出現する夕方サブオーロラ帯西向き高速流の統計的性質に関する成果も国際会議や国際学術誌等で発表している。
これと同時に、イベント解析にも力を入れ、結果、中規模伝搬性電離圏擾乱現象(MSTID)に伴う電離圏電子密度変動と大気光発光強度変化の関連性等が確認され、研究成果を国際学術誌に発表した。
|
