2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 太一 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40372560)
橋本 卓也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20437198)
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Keywords | 二点配位型触媒 / ルイス酸 / デザイン / 精密有機合成化学 / 1,3-双極子環状付加 / シクロプロパン化 |
Research Abstract |
本研究では、次世代の精密有機合成化学への多大な進展に向けて、二点配位型ルイス酸触媒の合理的、合目的な触媒設計を行い、他の反応触媒では及びもつかないような反応性、選択性が獲得できるような、精密合成反応プロセス(触媒的不斉合成も含む)の確立を目指している。すなわち、精密ルイス酸触媒の創製では、本研究室で開発された「二点配位型ルイス酸」の適用範囲を拡張するため、今年度は二点配位型キラルチタン触媒を用いる不斉1,3-双極子環状付加反応や多置換型シクロプロパン化反応などの開発を行なった。とくにニトロンとメタクロレインとの不斉1,3-双極子環状付加反応では、ニトロンの窒素上の置換基をかさ高くすることによって、3,4-エンド体が高エナンチオ選択的に得られることを見出した。この際、従来の触媒で見られるような3,5-エンド体はほとんど生成しなかった。窒素上の置換基効果をさらに詳細に検討したところ、ジフェニルメチル基が最も良い結果を与えることが判った。また、二点配位型ブレンステッド酸として光学活性ビナフチルジカルボン酸の3,3'-位にアリール置換基を導入した触媒を設計した。とくに、ビナフチルジカルボン酸の3,3'-位に2,6-ジメチル-4-tert-ブチルフェニル置換基を導入した二点配位型キラルブレンステッド酸触媒は従来汎用されているキラルビナフトキシリン酸触媒に較べて、ジアゾ酢酸エステルやジアゾリン酸エステルと活性イミン化合物との不斉マンニッヒ反応において高いエナンチオ選択性が発現することを見出した。
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Research Products
(5 results)