2009 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロンの糖鎖認識を原理とした新規細胞ストレスセンシング法の開発
Project/Area Number |
19350078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新倉 謙一 Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (90221762)
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Keywords | 糖鎖 / 量子ドット / 非特異吸着 / 細胞ストレス / シャペロン |
Research Abstract |
本研究は糖鎖で修飾された量子ドットをツールとして、細胞のストレス応答をその場観察することが目的である。3年目となる平成21年度では研究目的であったストレスセンシングを実際に生細胞を使っておこなった。カドミウムのような重金属に応答して、GlcNAc提示量子ドットが蓄積されやすいことがわかった。これは当初の目的であるストレスセンシングのイメージングに大きく近づいた重要な結果である。さらに一連の研究の中で、マルトトリオースを提示した量子ドットは効率よく核に移行することも見出した。糖鎖による核移行という現象は、微粒子の系において初めて見出されたものである。ストレスに暴露した細胞においてヒートショックタンパク質(シャペロンの一種)などが特異的に核に集積しやすいということが報告されており、それらタンパクとの関連も含め新たな研究課題にもつながる発見である。さらに申請者は水溶性のフッ素化エーテル誘導体に注目し、これらを提示したナノ微粒子の作製、および物性や機能の評価を行った。水溶性官能基を付加して水溶性を増したフッ素化テトラエチレングリコールナノ粒子は水溶液に良く分散した。また、タンパク質の非特異吸着を動的光散乱法および表面プラズモン共鳴法で見積もったところ、これらの微粒子が対照とするPEG微粒子に比べて、非特異吸着を押さえ込める表面を持っていることがわかった。この特性は微粒子に対するタンパク質の非特異的な結合を抑制し、ストレスセンシングのS/N比を大きく向上させることが期待される。
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Research Products
(13 results)