2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 督 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (00107476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福西 祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60189967)
畠山 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50312666)
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Keywords | 流体騒音 / キャビティー騒音 / エオルス音 / 渦音 |
Research Abstract |
騒音問題は生活環境保護のための最重要課題の一つであり、近年特に注目を浴び、国の内外を問わず学界、産業界の双方で盛んに研究されている。航空機のジェット騒音は新幹線のパンタグラフ騒音、ヘリコプタ騒音など交通輸送機関の高速化に伴って生ずる騒音の多くは流体力学的な原因に基づく音(流体音)である。本研究課題では(1)複数の三次元渦の相互作用により作り出される音場、及び(2)二次元複数物体周りの流れ場から発生する音場、また(3)キャビティーを過ぎる流れから発生する音場の特性を、主として数値計算により、明らかにすることを目的とした。井上は乱流中に存在する多数の渦の相互作用による音波発生のメカニズムを探るための第一歩として、二つの渦輪の三次元的の相互作用による流体音発生の問題を取り上げ、これまでに得られている実験結果と定性的に一致するのみでなく、渦輪の継ぎ換えによる音波の発生や、渦輪と壁面の干渉による音波発生などこれまでに知られていなかった新しい現象を発見し、またそのメカニズムを解明することができた。井上はまた、複数の物体まわりの流れ場が相互干渉する際に発生する音場の性質を知るための基本問題として二つの大きさの異なった角柱が存在する場合の流体音発生メカニズムを調べ、二つの角柱の大きさの比及び角柱間隔に依存して流れ場及び音場は大きく変化すること、また多くの場合"うなり"が発生すること、2種類の異なった"うなり"が存在することなどを見出した。福西はfluidic oscillatorを用いることにより、キャビティー上流の境界層が層流の場合には1個のfluidic oscillatorで、乱流の場合には2個のfluidic oscillatorを用いることにより、いつれもキャビティー騒音を大きく低減できることを実験的に明らかにした。
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