2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱塩二重拡散系の成層乱流におけるスカラー散逸構造の非相似性
Project/Area Number |
19360084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花崎 秀史 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (60189579)
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Keywords | 成層流体 / 乱流熱物質輸送 |
Research Abstract |
塩分成層流体(鉛直密度勾配一定)を用いた水槽実験を行った。熊手型の乱流格子をモーターにより一定速度で水平移動させて乱流を生成し、水平なレーザーシート光を用いて、水槽の中央付近での正方形領域(水平面内)の塩分濃度の時間発展をLIF法により測定した。蛍光染料としてはローダミン6Gを用い、塩分濃度に比例する蛍光染料の濃度を測定することにより、染料の蛍光強度分布から塩分濃度分布を換算・推定した。ただし、蛍光染料濃度を塩分濃度に比例させるためには、両者の初期条件と境界条件を一致させること、及び、染料と塩分のシュミット数が等しいことが必要である。まず、初期条件を一致させるため、成層生成時に2タンク法における塩水タンクのみに蛍光染料を投入した(すなわち、真水タンクには入れない)。また、シュミット数は、ローダミン6GがSc=700~1400、塩分がSc=700程度であるため、おおよそ一致しているとみなせる。こうして実験手法を確立した後、PIV法による速度場測定を同時に行い、水平運動エネルギー、及び、塩分濃度スペクトルの時間発展を計測した。その結果をDNSの結果と比較し、スペクトルの時間変化が両者で定性的に一致することを明らかにした。なお、実験においては、信頼しうるスペクトルを得るため、同条件下での測定を20回行い、そのアンサンブル平均を計算した。ただし、LIFの定量的な信頼性を上げるためには、レーザー強度の時間安定性、空間的安定性のより詳細な解析が必要であることも同時に示唆された。
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