2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模非線形系に対する高性能振動解析システムおよび最適モデルの実験的推定法の開発
Project/Area Number |
19360109
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 孝広 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)
宗和 伸行 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)
盆子原 康博 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10294886)
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Keywords | 機械力学・制御 / 非線形振動 / 安定解析 / モード解析 / 低次元化法 |
Research Abstract |
機械システムに対して省エネ化・省資源化のための限界設計を実現するには,実機に近い大規模自由度モデルを用いた高精度の事前解析が不可欠である.しかしながら,システム内に不可避的に含まれる多種多様な非線形性をも取り扱える高性能な振動解析法は皆無に等しい.そこで,本研究課題では,拘束モードを用いた低次元化法を基盤とする実用的な振動解析システムの開発を目指している.本年度の実施項目は次の通りである. 1. ジャイロ効果が作用する回転軸系のような非比例減衰系に対しても高精度な解析を可能とするために,複素拘束モードを利用する低次元化法を新たに開発し,その有効性を具体例により確認した. 2. 昨年度までに定式化した低次元化法では,対象系のすべての固有振動数と固有モードを求める必要があるが,大規模自由度系でこれを実現するのは一般に困難である.この問題を克服するために,全系の特性に及ぼす影響の大きい比較的少数の低次モードを用いて,それ以外の高次モードの影響を高精度で消去する方法を提案した.さらに,このようにして構成された低次モードのみからなるモデルに対して従来の低次元化法を適用すると,必要最小限のモードのみを抽出することが可能となる.このような二段階の低次元化により,計算効率の飛躍的向上とそれに伴う適用規模の大幅拡大とを実現した. 3. 低次元モデルに対する解析法として,昨年度に引き続いて増分調和バランス法の適用を検討し,計算効率向上のために抽出されたモードに対応して近似解のフーリエ級数の次数を適切に設定する方法を提案した. 4. 排気系における管内流体の非線形性に起因する非線形圧力波を対象として,最適モデル推定法の検証を解析および実験の両面から行った.具体的には,サイドブランチ型消音器と膨張型消音器を有する配管系の多自由度集中系へのモデル化を行い,その妥当性を確認するとともに,消音器の最適設計法を提案した.
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Research Products
(17 results)