2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの触知覚特性に対応したリアルタイム因子抽出に基づく遠隔触覚伝達法
Project/Area Number |
19360120
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 Keio University, システムデザイン・マネジメント研究科, 教授 (20276413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆陽 雅司 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20400301)
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Keywords | 触覚 / センサ / 触覚ディスプレイ / 遠隔操作 |
Research Abstract |
まず,昨年度提案した振動刺激を用いた摩擦感呈示法について,皮膚の固着・滑り振動を詳細に観測し,固着・滑り運動を疑似的に生成する摩擦を伴う1次振動系モデルを実装し,刺激生生成の精度を向上させた.これにより触速度,押し付け力に応じた自然な摩擦感の呈示が可能となった.また,FFTを用いた表面波長のリアルタイム推定を用いて粗さ感の伝達手法を改良し,触覚伝達システムの性能評価を詳細に行った.これにより,特にジッタを含む通信遅延時に,物理パラメータ伝達による触感伝達法の有効性が明らかになった.さらに,通信遅延が触感に及ぼす影響を評価し,触運動と皮膚感覚の時間的不整合が,触運動の抵抗感などの深部感覚の知覚にも影響を及ぼす可能性を示した. また、触覚遠隔呈示システムのNEEDSに関する研究を行った。すなわち、マインドマップやブレインストーミングに基づき、触覚研究の必要性を徹底的に洗い出した。調査やブレインストーミングなどは、30名を超える多くの専門家および学生を対象とした。学生は、理工学系のみならず、医療福祉系の学生も交えた。その結果、皮膚感覚提示技術の用途を洗い出し,同技術が創出する価値を詳細に分析した。すなわち,皮膚感覚提示技術の価値を,(1)皮膚感覚の役割,(2)五感提示技術の価値,(3)他感覚との比較の3つの観点から分析することによって,皮膚感覚提示技術のニーズを明確にした。また、皮膚感覚の役割は、状態の識別(識別感覚/意識/手指)、周囲の変化の把握(識別感覚/意識/全身)、作業の補助(識別感覚/無意識/手指)、周囲の不変を把握(識別感覚/無意識/全身)、能動的な快感の取得(原始感覚/快/手指)、受動的な快感の取得(原始感覚/快/全身)、触対象の危険の感知(原始感覚/不快/手指)、自身の危険の感知(原始感覚/不快/全身)であることを明らかにした。
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Research Products
(15 results)