2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360161
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斗内 政吉 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40207593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 博成 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (30219901)
川山 巌 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (10332264)
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Keywords | テラヘルツ / フェムト秒レーザー / 顕微鏡 / ガルバノメーター / 近接場 / 半導体 / 高温超伝導体 / 強相関電子材料 |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下に示す。 (1)従来型レーザーテラヘルツ放射顕微鏡(LTEM)システムの高分解能化 これまでに開発してきたLTEMは最高でその空間分解能は約3μmであった。このLTEMを様々な材料やデバイスの評価用ツールとして利用するためには、この空間分解能の向上が必要不可欠である。このため、波長780nmのレーザー光源用透過型LTEMシステムに固浸レンズ(屈折率1.98)、ビームエクスパンダーを組み込み、その空間分解能の向上を行った。その結果、固浸レンズのみの使用により空間分解能を1.5μmまで、またビームエクスパンダーのみの使用により空間分解能を1.2μmまで向上させることに成功した。今後は両者を同時に組み込むことにより1μm以下の空間分解能の向上を目指す。 (2)高速イメージ用LTEMシステムの構築 LTEMを実際に様々な評価に応用していく上で、イメージング速度の向上を行う必要がある。従来のシステムでは試料を取り付けたステージ自体を移動させる方式を取っていたため、例えば、500×500画素のイメージ取得に最速でも1時間程度の観察時間を要していた。今回透過型LTEMシステムにガルバノ光スキャナー、高速光変調器(AOモジュレーター)、高周波ロックインアンプを組み込むことにより、このイメージング速度の高速化を行った。これにより、ある程度高強度なテラヘルツ電磁波を放射可能な試料の場合、500×500画素のイメージ取得を10秒程度で行うことに成功した。またこのシステムを使えば、試料のレーザー反射イメージの同時観察も可能である。 現在、これら構築したシステムを使って、半導体デバイスや強相関電子材料の評価研究を開始しているが、今後、これらのシステムを組み合わせることにより、高空間分解能で高速イメージング可能なシステムとし、これらの電子材料やデバイスの研究をよりいっそう進めていく予定である。
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Research Products
(11 results)