2008 Fiscal Year Annual Research Report
時分割法による磁化ベクトル履歴動画像を撮影可能な縦カー効果顕微鏡の作製
Project/Area Number |
19360183
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 伸 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50344700)
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Keywords | 磁区観察 / 光学顕微鏡 / 偏光 / 縦カー効果 / 時分割法 / ストロボ法 |
Research Abstract |
本研究は代表者がこれまで行つてきた科研費若手A助成研究「高時間分解能縦カー効果顕微鏡の作製とそれによるμmオーダーの磁区像一括観察」の発展研究で、局所領域の簡便な磁気特性計測装置として要望が強い、「磁化方向の検出が可能な縦カー効果顕微鏡」を実現することにある。 数10μm〜サブμmにパターン化された磁性材料では試料内各場所での磁気特性がその性能を左右することから、パターン試料内部の磁区構造観察に対する需要が高まっている。そこで本課題ではこれまでに確立した白色光の高倍率磁区構造観察技術を発展・応用し、磁化方向の検出が可能な縦カー効果顕微鏡を実現することにある。2年目に当たる平成20年度は、PCからの制御信号で光路を微動させる落斜位置制御機構を確立し、超高圧水銀灯光源1つで2光軸を実現した。さらに過年度の若手A助成研究で実現していた時間分解光学系も導入した。 磁化方向の特定のためには、対物レンズ入射瞳の直交方向の辺縁部に微小スポットの入射光を落斜させて、各軸方向の磁化ベクトル成分に比例したコントラストを付すことが有効である。そこでまず各落斜光軸からのプローブ光の入射タイミングをズラして試料を照明し、それぞれのタイミングで撮像するソフトウエアを完成させた(時分割法)。次に各落斜軸からの照明時に磁界を高周波掃引し特定の位相タイミングで同期を取って電子シャッタ(イメージインテンシファイア)を切る(ストロボ法)と前述の時分割法とを組み合わせることにより、高時間分解で磁化ベクトル履歴動画像の撮影を可能とする顕微鏡を実現した。さらに得られた高時間分解ベクトル履歴動画像に対して、可視化表現(色合いの割付)、局所領域の輝度ヒステリシスループの抽出も可能であることを確認した。
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Research Products
(2 results)