2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造物崩壊過程のモンテカルロ・シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
19360200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小國 健二 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授 (20323652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 剛史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60292645)
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Keywords | 破壊現象 / PDS-FEM / RC構造物 / 崩壊過程 / 確率挙動 |
Research Abstract |
本研究では,地震動を受ける構造物が,健全な状態(弾性変形)から塑性変形,終局限界状態を経て崩壊に至る一連の過程をばらつきも含めて予測可能な解析手法を提案する.具体的には, i)破壊現象に適した解析手法,FEM-βを三次元動的弾塑性解析ツールとして整備, ii)並列化による計算効率の向上, iii)崩壊に至る過程のモンテカルロ・シミュレーション,を行う.また,時刻同期稠密機動センサネットワークを構造物の大規模な震動台(E-ディフェンスなど)実験の際に展開し,時空間分解能の高い計測データと解析結果を比較することにより,解析手法の妥当性の検証を図る. 本年度は,FEM-βの理論を整備し,粒子離散化有限要素法(PDS-FEM)を完成させた.昨年度に三次元動的弾塑性解析ツールとして弾塑性有限要素解析の高速ソルバー,ADVENTUREに組み込んだPDS-FEMを改良し,RC構造物の中での亀裂進展を最後まで追跡可能な解析ツールとした.さらにこれをADVENTUREの商用版大規模解析ツールADVENTUREクラスタに組み込んで,50万要素程度のRC橋脚モデルの地震動による破壊進展解析を行い,良好な解析結果を得た. 一方,震動台実験のための,時刻同期稠密機動センサネットワークについては,実機を用いた計測実験を行い,複雑な形状のRC構造物内部に展開したネットワークでロバストな通信を確保しながら,100μ秒程度の時刻同期を確保した加速度データの計測,回収に成功した.
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