2008 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度の海浜海底地形環境評価法の開発と砂浜海岸保全への適用
Project/Area Number |
19360213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関口 秀雄 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (20027296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
武藤 裕則 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40263157)
釜井 俊孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (10277379)
芹澤 重厚 京都大学, 防災研究所, 助教 (70301249)
原口 強 大阪市立大学, 理学研究科, 准教授 (70372852)
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Keywords | 地盤環境 / 砂浜海岸 / イベント堆積物 / 海岸侵食 / 海浜海底地形 |
Research Abstract |
本研究では、イベント過程を織り込んだ、数十年から数百年オーダーの海浜地形変化を高解像度で予測し得る方法論の確立を目指す。そのため、本年度は以下の研究を行った。1)広域海水流動・波浪場解析法の適用;ナウファス観測網の一つである直江津港で観測された2001年〜2005年の波高、波向、周期および海上風データの統計解析を行い、上越地域海岸の中・長期の海浜変形評価に供し得る波浪・風特性のモデル化を行った。2)底面境界層における土砂の取込み及び輸送モデルの開発;暴浪イベントによって底質が流動化し、高濃度の底面境界層を形成する可能性に着目して、水中堆積物解析コードLIQSEDFLOWの拡張と水槽実験結果に基づく検証を行った。さらに、海底微小音響に基づく底質移動速度の同定に関する基礎実験を行った。3)海浜海底地形情報のインテグレーション;大潟海岸域を対象として、地形図情報をGIS化し、過去80年間の汀線位置の変遷を明らかにした。それによると、1990年代初頭まで汀線は顕著な後退傾向を示していたが、それ以降はほぼ落ち着いている。これは、侵食対策として実施された一連の海岸保全事業の効果の表れとみることができる。しかし、海底の地形変動は依然ダイナミックであり、注視に価する。4)海底地形変動の詳細計測;そこで、2008年7月27-30日に大潟海岸において三次元サイドスキャンソナー(C3D)計測を実施し、格子間隔2mの3次元座標群データ(水深の計測精度は10cm程度)を取得した。その結果、地形変化限界水深(8m)を超える沖合に大規模な湾入状の海底地形(侵食域)が形成されていることが明らかになった。5)遡上帯における土砂輸送に及ぼす海岸地下水の影響評価;養浜工は砂浜地形の復元にとどまらず、淡水地下水レンズの再生に繋がることから、その回復速度の予測式を誘導した。さらに、干満サイクルにおける淡塩境界のダイナミックな動きの連続観測に成功した。
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