Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義人 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30111826)
川崎 浩司 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20304024)
富田 孝史 港湾空港技術研究所, 津波防災研究センター, 主席津波研究官 (20242836)
水谷 雅裕 港湾空港技術研究所, 海洋水工部, 耐波研究室長 (40463096)
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Research Abstract |
津波来襲時に,港湾施設等に数多く存在する船舶,コンテナなどが漂流し,災害を甚大化する可能性が指摘されているが,このような問題については未解明な問題が多く残されている.本研究では,大型模型実験を含む水理模型実験によって大型物体の漂流現象と衝突力の発生機構を解明し,それらを推定するための数値解析手法を開発することを目的とする. 本年度は,水谷は,伊藤とともにLS-DYNAを使用し,衝突現象に及ぼす物体の変形の影響をモデルに考慮する手法を構築した.塑性変形をともなう場合の衝突力の算定モデルをLS-DYNAのみで解析することは非常に負荷が大きいため,流体・剛体連成解析とLS-DYNAを併用して解析する手法を提案し,それを実スケールの衝突問題に適用させることが可能となった.この際,分担者の水谷らが行った大型模型実験結果との比較から本解析手法の妥当性の検証も実施した. 富田は,実地形への適用を考慮して大型物体の漂流現象を解析する数値モデルの改良を行った.津波のように自由表面がある場合の計算スキームや大型物体の陸上乗り上げや他の構造物への衝突に対応するための計算スキームの構築,モデルの精緻化と可視化,および三次元の数値解析手法への拡張を重点的に実施した. 川崎は自ら開発中の固気液混相流体の数値解析手法を漂流物と流体運動の相互作用問題に適用し,流体塊と三次元物体の動的応答の時間変化を解く手法の構築を行った.特に外力として波動が与えられるよう,数値波動水槽としての汎用性の高いモデルへの改良を行って,漂流中の構造物と流体運動との相互作用を解析可能なモデルを構築した. 代表者の水谷はこれらの研究を総括し,さらに富田とともにオレゴン州立大学のCox教授,Yim教授,Yeh教授と研究成果の討議を行い,今後も日米で協力して津波研究を発展・継続させていくことを確認した.
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