2009 Fiscal Year Annual Research Report
袖壁付き柱を有する鉄筋コンクリート建物の耐震性能評価法に関する研究
Project/Area Number |
19360246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授 (00134479)
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Keywords | 袖壁 / 鉄筋コンクリート / 柱 / 耐震設計 / 耐震診断 / せん断強度 / 靭性 / 建築構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、袖壁付き柱を有する鉄筋コンクリート建物を対象にして、耐力と靭性を実用的に評価するモデルを構築することである。平成22年度には曲げ降伏型袖壁付き柱の実験を行い、合わせて解析的研究も行った。平成19年度には両側袖壁付き柱部材、平成20年度には片側袖壁付き柱部材,平成21年度には高強度コンクリート袖壁付き柱の基本的な強度・靭性性状を把握するため、耐震診断における袖壁長さ比およびせん断スパン比をパラメータとした静的繰り返し載加試験を行い、分割累加法によるせん断強度評価式を提案して、検証した。22年度には,実大部材2分の1縮小モデルの試験体を作成し,その挙動から曲げ試験体の評価法を構築する目的で正負交番載荷実験を行った。とくに,靭性に影響する要因を検討するため,せん断余裕度・断面形状・袖壁端部の拘束状態・袖壁張出比に着目した。ほかの予算とも合わせて曲げ降伏型袖壁付き試験体6体の実験を実施し、曲げ降伏後の靭性が曲げ理論によりほぼ評価可能であることを検証した。袖壁付き柱の曲げ強度および終局変形の計算方法を示して実験結果と比較した。終局変形の計算方法における仮定の絶対値はさらに吟味する必要があるが、曲げ理論にもとづいて曲げ終局強度および終局変形の相対的な関係を安全側に評価することが可能であることを検証した。簡略化して耐震診断あるいは2次設計(部材ランク)の評価法に適用することが可能である。さらにASFIモデルを袖壁付き柱に適用する手法を示して、耐力劣化域を含む復元力特性が曲げ理論よりも精度よく評価することが可能になることを検証した。(2)実在建物での実験強度型の実構造物における地盤構造物系の耐震性能を実証するため、新潟において解体予定の建物で現地加力試験も一部本研究の助成により実施した。
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Research Products
(12 results)