2007 Fiscal Year Annual Research Report
主として屋根面の剥離圧を用いた屋根面開口部による住宅の通風性能改善技術の開発研究
Project/Area Number |
19360263
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
倉渕 隆 Tokyo University of Science, 工学部, 教授 (70178094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 達夫 東京理科大学, 工学部, 准教授 (00316001)
遠藤 智行 関東学院大学, 工学部, 講師 (90385534)
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Keywords | 通風 / CFD / 天窓 / 局所相似モデル / グロス建蔽薬 |
Research Abstract |
本研究は、密集地に建つ戸建て住宅を主たる対象に、シミュレーション技術を効果的に活用して、通風の有効のための最適設計法の確立を目指したものである。本年度は、密集市街地環境における建物周辺圧力環境のCFDを用いた高精度予測法の確立から着手した。その結果、Durbinリミタによる乱流タイムスケールの制約をかけてk-eモデルを適用すれば、建物風上正面などでの風圧係数の過大評価が大きく緩和され、予測精度の向上に繋がることを明らかにした。また、マルチブロック法の効果的な利用法について検討し、実際に近い複雑な住宅形状をハンドリングできること、高精度の圧力分布予測が可能なこと、また、サイクル境界条件に適用により、グロス建坪率の変化に伴う風圧力変化について高精度予測が可能なことを確認した。これらのCFD結果は全て風洞実験を新たに行って得られた実験データとの比較に基づくものである。また、天窓、壁面窓の組み合わせに対応する通風量の風洞実験データを取得し、天窓が開口面積の割に通風量を確保する上で、効果的な換気経路となることを見出し、建物周辺領域を含む室内領域の一括CFD解析を試みた。その結果、通風量が実験よりも過小評価となることを確認したが、これはk-eモデルの欠点が顕在化したためと考えられ、この問題については次年度に検討課題となった。また、実大建物の通風性能評価を想定した実測を試みたが、開口部の開放条件による室内通風環境の相違が顕著には認められなかった。この点については、実験施設の長期間計測による検討が必須であり次年度に再度実験を試みる予定である。一方、通風計画時において、期待される熱負荷削減効果を簡易に推定する手法の整備を目指し、建物の熱特性と通風条件、気候との適合性についてシミュレーションにより検討を行った。窓開放時の参照温度と窓閉時の参照温度の問に外気温が収まる時間割合(換気有効時間率)により、通風による冷房負荷削減量を定量的に予測できることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)