2008 Fiscal Year Annual Research Report
主として屋根面開口部による住宅の通風性能改善技術の開発研究
Project/Area Number |
19360263
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
倉渕 隆 Tokyo University of Science, 工学部・第一部, 教授 (70178094)
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Keywords | 通風 / CFD / 天窓 / 局所相似モデル / グロス建蔽率 |
Research Abstract |
本研究は、密集地に建つ戸建て住宅を主たる対象に、シミュレーション技術を効果的に活用して、通風の有効利用のための最適計算法の確立を目指したものである。本年度は昨年度に引き続き、密集市街地環境にこける建物周辺圧力境界のCFDを用いた高精度予測法の確立を実施した。昨年度は対象建物の屋根形状を陸屋根と想定して検討を行ったが、本年度はこう配屋根(5寸、15°)や周辺のグロス建蔽率(10、20、40%)をパラメータとした検討を実施した。その結果、Durbinリミタを組み込んだ改良k-εモデルを用いることで、さまざまな屋根形状および建蔽率における市街地鉛直風速分布が再現でき、風圧係数分布についても高精度の予測が可能なことを確認した。これらのCFD結果はすべて風洞実験を新たに実施し、得られた実験データとの比較に基づくものである。また検討建物の周辺領域における屋外気流計算結果から、局所相似モデルに基づいて境界条件を取得し、検討建物の室内解析の実を実施する領域分割法を開発し、対象建物の外周部周辺領域を含む全域計算(従来法)と比較し、精度検証を実施した。その結果、風圧係数、接線方向動圧係数、通風量、室内気流分布について十分な予測精度を確認した。平成21年3月16日に海外から多数の研究者を招聘し、「第3回自然換気に関する国際ワークショップ」を主催した。国内外から多数の研究者や実務者が参加する中、本研究課題の成果である「領域分割法を用いた開口部位置の通風性能評価」について発表を行った。本ワークショップでは海外研究者と通風研究に関する情報交換ができ、今後の通風研究において意義のあるものとなった。
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