2008 Fiscal Year Annual Research Report
積雪シミュレーションを用いた雪処理エネルギー低減へ向けた都市デザイン技術の開発
Project/Area Number |
19360266
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬戸口 剛 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20226674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英嗣 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70002003)
堤 拓哉 北海道立北方建築総合研究所, 研究員 (40462345)
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Keywords | 都市計画 / 都市デザイン / 積雪寒冷都市 / 屋外公共空間 / 環境調和型都市 / 積雪シミュレーション / 札幌市既成市街地 / コンパクトシティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、積雪寒冷都市である北海道の諸都市および中国の北方都市において、冬季の雪処理に費やすエネルギーを低減するために、環境負荷の低減へ向けた望ましい都市空間の提示と、都市デザイン技術を開発することである。具体的に以下の成果が得られた。 1.積雪シミュレーションを用いて、モデル街区を対象に地区空間における雪処理量を把握し、雪処理エネルギーを低減させる観点から、都市空間構成の評価を行った。モデル街区は、札幌市既成市街地の街区スケールを用い、街区内の建築構成を(1)低層建築2階建に統一、(2)中層建築5階建てに統一、(3)中層建築8階建てに統一、(4)中層建築と低層建築の混在型、(5)高層建築14階建てなど、様々な街区空間像を対象に積雪シミュレーションを行った。その結果、中層建築で統一された街区空間像が、比較的に堆雪量が少なく、除雪量を低減させられることが明らかになった。これにより、積雪寒冷都市が目標とする街区空間像の選択肢として、中層建築を主体とする町並みが望ましいことが明らかになった。 2.同じ積雪寒冷都市でも、積雪量は少ないが冬季の外気温が低い中国瀋陽では、冬季の風や吹雪を避ける都市デザインが求められる。風洞実験装置を用いた風環境シミュレーションにより、望ましい屋外歩行者空間の空間構成を明らかにした。その結果、高密度の中心市街地において、大断面の建築ファサードは歩行者空間における風速を助長し、屋外環境を悪化させることが明らかになった。同時に、小規模のオープンスペースを散在させ、建物の外壁面に変化を持たせる、歩行者空間や屋外公共空間のデザインは、冬季の風速を減速し、人々が滞留する空間を生み出し、屋外公共空間を良好にすることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)