2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化型セラミックナノロッド配列構造の創製と医用工学的応用
Project/Area Number |
19360301
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 聡 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20263618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾坂 明義 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033409)
都留 寛治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50314654)
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Keywords | 酸化チタン / ヒドロキシアパタイト / 生体活性 / ナノ結晶 / 自己組織化 / 金属チタン / インプラント / ロッド配列構造 |
Research Abstract |
(1)酸化チタンナノ・マイクロロッド配列構造の創製 (1)金属チタン基材上への自己組織化的酸化チタンロッド配列構造の創製 粒子径を45μm以下にそろえたホウ酸ナトリウム系ガラス粒子を金属チタン基板表面に緻密に静置し,これを電気炉に移して,熱処理温度まで毎分5℃の速度で昇温し,700℃の熱処理温度に到達後5時間保持した。試片を電気炉から取り出し試片表面に固着したホウ酸ナトリウム系ガラス粒子層を温水処理により完全に除去することによって酸化チタン系ナノ・マイクロロッドアレーを創製した。 (2)ナノロッドアレー形成に及ぼす創製条件の影響の検討,構造解析 薄膜X線回折法により試料表面には酸化チタンのルチル相に帰属される結晶構造を確認した。表面の微細構造を電解放射型走査型電子顕微鏡で調べたところ,サブミクロンスケールのロッド(棒状)配列講造の形成が確認された。本ロッド配列構造の形成条件の最適化を温度条件及び金属チタン試片の前処理(化学研磨)についても検討した。 (2)金属チタン上への微細構造型水酸アパタイト粒子層の創製 (1)金属チタン基材上への酸化物層及び活性化 金属チタンを3〜6mass%の過酸化水素水溶液に浸漬して,80℃で数時間処理し,表面に微細構造を有する酸化物層を形成させ,得られた金属チタンを大気雰囲気下400℃で熱処理することによりアナターゼ相の酸化チタン層を形成させた。 (2)微細構造型水酸アパタイト粒子層の創製 36.5℃及び80℃の温度条件下で,(1)で得られた金属チタン試片をヒトの体液を模倣した模擬体液中に浸漬することにより,3日以内で,ナノ結晶性の水酸アパタイトロッド配列構造の形成を確認した。現在は,ナノ結晶性アパタイトロッドの形成機構及び配列状態の制御による細胞接着性の向上の有無を検討中である。次年度は模擬体液の組成がナノロッドのスケール,配列,結晶構造に及ぼす影響を学術的に明らかにする予定である。
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