2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸素欠損型六方晶BaTiO3における巨大誘電応答のメカニズム解明と制御
Project/Area Number |
19360305
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
余野 建定 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 主幹研究員 (40358750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 敦信 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00378879)
武貞 正樹 北海道大学, 理学(系)研究科, 講師 (30311434)
黒岩 芳弘 広島大学, 理学(系)研究科, 教授 (40225280)
重松 宏武 島根大学, 教育学部, 准教授 (40281068)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (00344276)
|
Keywords | 電子・電気材料 / 誘電体 / 単結晶 |
Research Abstract |
六方晶BaTiO3単結晶が酸素欠損により、室温で10万以上の巨大誘電応答を示すことを見出した[1-3]。この巨大誘電率材料を用いて積層コンデンサを実用化すれば、積層コンデンサのサイズと容量を飛躍的に向上できると期待される。 本研究では、六方晶BaTiO3の巨大誘電率発生のメカニズムを解明し、これに基づいて誘電特性の精密制御の構築及び新規の巨大誘電率物質の探索指針をする。さらに実用化に向けた誘電率制御のプロセスを確立する。 酸素欠損型六方晶BaTiO3の巨大誘電率発生の起源は、酸素欠損により生じるTi3+イオンに関連ことに着目し、酸素欠損以外の方法でTi3+を生成させるアプローチとして、Ba2+を一部La3+で置換する方法を試み、誘電率の変化について調べた。 BaCO3、TiO2、La2O3を化学量論比で混合した後、FZ法で六方晶Bal-xLaxBaTiO3(x=0.001、0.003、0.005)単結晶を育成した。La3+の効果を明確にさせる為,育成した単結晶を空気中1273K、200時間以上のアニールにより酸化させ、酸素欠損の影響を除く。アニールしたx=0.003、0.005の単結晶では、室温での誘電率は10万以上であり、巨大誘電応答が保持されている。この結果から、La3+の置換によってTiの価数を制御することで、巨大誘電応答が得られることを確認した。 この手法では、Ti3+の量はLa3+の添加量により正確に規定されるため、誘電応答とTi3+量との定量的相関関係を明らかにすることができ、結果として巨大誘電応答の精密制御が可能になる[1]J.Yu, et. al., Chem.Mater., 16(2004)3973-3975[2]J.Yu, et. al., Appl Phys. Lett., 87(2005)252904[3]余野建定,石川毅彦,伊藤満,符徳勝,固体物理41(2006)148
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Metastable Phase Transitions of BaTi205 Glass-Ceramics2007
Author(s)
J.Yu, A.Masuno Y.Arai, T.Masaki, T.Ishikawa, S.Yoda, S.Kohara, H.Taniguchi, M.Itoh, and Y.Kuroiwa
Organizer
11th European Meeting on Ferroelectricity, EMF-2007
Place of Presentation
Bled, Slovenia
Year and Date
20070903-07
-