2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸素欠損型六方晶BaTiO_3における巨大誘電応答のメカニズム解明と制御
Project/Area Number |
19360305
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
余野 建定 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 主幹研究員 (40358750)
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Keywords | 電子・電気材料 / 誘電体 / 単結晶 |
Research Abstract |
六方晶BaTiO_3単結晶が酸素欠損により、室温で10万以上の巨大誘電応答を示すことを見出した[1-3]。19年度の研究により、Aサイトを置換したBa_<1-x>La_xBaTiO_3(x<0.5%)の単結晶も巨大誘電応答が観察された。その結果から、六方晶BaTiO_3系の巨大誘電率発生のメカニズムは従来の強誘電体のメカニズムと異なり、構造相転移に関連していない、酸素欠損と元素置換により生じるキャリヤとTi^<3+>イオン濃度に依存することは明らかになった。 この巨大誘電率材料を用いて積層コンデンサを実用化すれば、積層コンデンサのサイズと容量を飛躍的に向上できると期待される。20年度では、実用化に向けて、キャリヤ濃度と誘電特性を定量的に制御するため、酸素拡散率の温度依存性を精密測定した。 同位体置換用電気炉を用いて、酸素O_<18>雰囲気下で六方晶Ba_<1-x>La_xBaTiO_3(x=0,0.5%)単結晶を1173Kまでに加熱して、同位体置換を行った。質量分析装置(SIMS)により、同位体置換した試料の酸素O_<18>の濃度分布の測定に成功した。1173Kにおける六方晶BaTiO_3単結晶の(0001)結晶面と(1000)結晶面の拡散係数はそれぞれD_v=6.28X10^<-11>[cm^2/s]とD_v=7.18X10^<-11>[cm^2/s]である。これから、SIMS測定法により573-1273K温度範囲における六方晶BaTiO_3単結晶の酸素拡散率を確定すると共に、最適酸素濃度分布を達成するための熱処理方法を明らかとし、最適製造方法設計法を開発する。 [1]J.Yu,et al., Chem. Mater., 16(2004)3973 [2]J.Yu,et al., Appl. Phys. Lett., 87(2005)252904 [3]余野建定,石川毅彦,伊藤満,符徳勝,固体物理41(2006)148
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Comprehensive Structural Study of Glassy and Metastable Crystalline BaTi_2O_52009
Author(s)
J. Yu, S. Kohara, S. Nozawa, K. Itoh, S. Miyoshi, Y. Arai, A. Masuno, H. Taniguchi, M. Itoh, M. Takata, T. Fukunaga, S. Koshihara, Y. Kuroiwa, S. Yoda
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Journal Title
Chemistry of Materials 21
Pages: 259-263
Peer Reviewed
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[Presentation] 無容器法から合成されたBaTi_2O_5ガラスの構造2009
Author(s)
余野建定, 荒井康智, 依田眞一, 小原真司, 高田昌樹, 増野敦信, 黒岩芳弘, 伊藤恵司, 福永俊晴, 野沢俊介, 腰原伸也
Organizer
日本セラミックス協会2009年年会
Place of Presentation
東京理科大学
Year and Date
20090316-20090317
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[Presentation] BaTi2O5ガラスの構造相転移2009
Author(s)
余野建定, 依田眞一, 小原真司, 高田昌樹, 増野敦信, 黒岩芳弘, 伊藤恵司, 福永俊晴, 野沢俊介, 腰原伸也
Organizer
2009年日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
Place of Presentation
東京大学本郷キャンパス
Year and Date
2009-01-11
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