2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ時空間制御ソリューションプラズマの創製とその材料プロセスへの応用
Project/Area Number |
19360326
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺嶋 和夫 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30176911)
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Keywords | ナノ時空間 / ソリューションプラズマ / 材料プロセス / 環状ゲル / マイクロ波プラズマ / 表面改質 / 親水化処理 / 超臨界流体 |
Research Abstract |
本研究は、プラズマ材料プロセスの新しい可能性を開拓すべく、ナノ時空間制御技術を駆使し、液体中での低温プラズマ(ソリューションプラズマ)の創製とその材料加工プロセスへの応用を行うことを目的として、時空間微細領域制御プロセス装置の開発とプラズマ診断を行なってきた。本研究の成功により、従来のプラズマプロセシングでは実現不可能であった、熱的な損傷に敏感かつ溶液系のバイオ技術・医療分野での主役となるゲル材料などのソフトマテリアルに対するプラズマ材料加工法の開発など、新規プラズマ材料プロセス分野の新展開が期待されるものである。 ナノパルスプラズマ、レーザー誘起プラズマにより、無気泡のソリューションプラズマの発生に成功し、発光分光方法、レーザーラマン分光法により、液体から超臨界流体、さらには高気圧ガス中での広い範囲でのCO_2,H_2Oの粒子の微視的状態(クラスタリング、密度揺らぎ)の測定も進め、励起種制御、プロセス反応場の安定性の制御、などの可能性を示した。 また、浸水環境下(セミソリューションプロセス環境下)での大気圧マイクロ波マイクロプラズマ表面処理による環状ゲルの表面超親水化処理(接触角1°以下)にも成功した。この処理における、プラズマの診断(ガス温度、電子密度測定、電界シミュレーション)、および、各種のゲル表面構造・物性測定(原子間力顕微鏡、光学顕微鏡、X線光電子分光、接触角測定)を行い、その相関性の究明を進めている。これらの成果は、上記の目標に向けた着実な結果であると評価される。
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