2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビスマス酸化物系高速酸化物イオン導電体を用いたイオニックデバイス用電極
Project/Area Number |
19360344
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粟倉 泰弘 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (70109015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田 哲也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80312651)
小山 幸典 京都大学, 工学研究科, 助教 (20437247)
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Keywords | ビスマス酸化物 / 固体電解質 / 酸素ポンプ / 熱力学 / 電気化学 |
Research Abstract |
ビスマスーバナジウム系複合酸化物(Bi2V05.5およびVサイトを置換したBi2V05.5)は500℃程度の中温域で高い酸化物イオン伝導性を示す物質であり、固体電解質を用いた酸素濃縮器などへの応用が期待される。そこで本研究ではBi2V05.5系電解質に適した電極触媒層を探索した。昨年度は、電解質の表面のみをイオン交換法により銅イオンで置換し電極触媒層の形成を試みたが、置換反応はごくわずかしか進行せず、また、錯イオンとして加えたEDTAによる還元反応で金属銅の析出が起こる問題が判明していた。本年度は、電極触媒層として、貴金属サーメットの利用が可能であるかの検証を試みた。Bi2V0.95Bi0.0505.5を固相反応法により作成し、ついで、大気中で、600℃もしくは800℃において24時間保持し、バナジウム系複合酸化物と各種貴金属との反応性(両立性)を調査した。貴金属としてPd, Ag, Pt, Auを用いてサーメットを作製しXRDパターンの変化を調査した結果、Bi2V0.8Ta0.205.5はPtとは反応せず、PdやAgとは反応することが分かった。本来、PdやAgの純金属は、実験温度において大気中でも安定な金属であるが、本系においては、PdやAgが、Bi2V0.95Bi0.0505.5へ酸化溶解することにより、生成系の活量が低下するため、反応が進行するものと考えられる。また両立性が認められたAuについては触媒能に関して疑問が残るため貴金属サーメットを電極として使用する場合には、白金のみが有力であることがわかった。
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