2007 Fiscal Year Annual Research Report
キラルイオン液体-超臨界二酸化炭素による光学異性体の連続分離プロセスの開発
Project/Area Number |
19360348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
SMITH Richard Lee Jr. Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60261583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善之 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50243598)
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Keywords | イオン液体 / 光学異性体 / 超臨界二酸化炭素 / 分離技術 / 相平衡 / 状態式 / 超臨界クロマト / 環境調和 |
Research Abstract |
医薬品などで重要となる光学異性体の新規分離技術として、近年注目されているイオンのみからなる液体『イオン液体』および『超臨界CO2』を用いた連続分離技術の開発を行い、光学異性体の高速かつ高純度分離を達成することを目的とする。本分離プロセスは、イオン液体に光学活性な官能基を持つキラルイオン液体を用いることで、R体、S体の一方と強い相互作用を形成することを想定し、CO2相に一方を選択的に分配されるプロセスである。現在主流であるジアステレオマー法による光学異性体分離技術と比較すると、分離溶媒の再利用が可能であることが挙げられ、環境調和かつ低コストの分離が可能となる。新規光学異性体分離技術の確立を目指し、以下に示す2つのアプローチを進めており、結果を合わせて報告する。(1)超臨界クロマト法による光学異性体のCO2相、イオン液体相への分配係数の測定。超臨界クロマト法を用いることで光学異性体のCO2相とキラルなイオン液体相への分配の違いを測定し、相互作用の違いの解明を進めている。その際に必要となるCO2ポンプ、背圧弁、高圧対応のUV検出器を本補助金より購入した。これまでの結果から1-phenyl-1-propanolや2-phenylpropionic acidなど芳香環に水素結合基を有する光学異性体に関して分離が可能であることを確認した。(2)状態式による相図の構築。現在進めている光学異性体の分離は、相平衡の概念を利用したものである。CO2-イオン液体-光学異性体からなる3成分系高圧相平衡を状態式で表現することが可能となれば、分離に優位となる温度、圧力条件を推算していくことが可能となる。現在までに、CO2-イオン液体-芳香族化合物系よりなる3成分系相平衡をSanchez-Lacombe状態式により良好に表現できることを確認した。
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Research Products
(5 results)