2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360403
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 勝則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70251361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 誠介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90092155)
羽柴 公博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60456142)
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Keywords | 岩盤災害 / 電磁波 / クリープ / 間隙水 |
Research Abstract |
地震に関する空白期間に関するデータを蓄積する観点から,電磁ノイズ観測装置を日本各地27個所に配置し,AM帯域(850kHz)に混在する電磁波の観測を行った.地震発生の3週間から1ヶ月前から電磁ノイズのイベント数が増加し始め,地震発生の1週間から2週間前に電磁ノイズのイベント数がピークに達し,その後低下し(空白期間といえる部分が存在),地震に至るという例が多数見られることを示した.また,地震発生から1週間は再度,イベントが多く見られることも示した.仙台周辺での地震を詳細に検討した結果,観測地点から東-南南東方向にある北米プレートと太平洋プレートが硬く固着している領域を震源とする地震に際して,このようなイベントの変化が見られやすいことを示した.この現象を検討するために,岩石を破壊した際の電磁波の発生状況を調べた結果,花崗岩などのぜい性的な岩石が急激な破壊をした際に電磁波の発生量が多く,また破砕した岩石表面に電荷が現れた岩石で破壊時の電磁波の発生量が多いことがわかった。次に潮汐変動による影響を調べるために,応力をわずかに変化させながら岩石のクリープ試験を行った結果,従来から指摘されているように,応力のべき指数に比例した変形挙動を示しており,岩盤が破壊する際には加速的に亀裂の進展がみられることから,電磁ノイズなどの予兆現象が地震のかなり前(1週間〜2週間)にピークを迎えることは解釈が難しいことがわかった.そのため,破壊が亀裂部に集中することによるイベント数の減少あるいはイオンを含んだ間隙水の移動によりそれが打ち消され,電磁現象として観測されにくくなる可能性が考えられる.
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