2009 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物埋立地の安定化挙動の予測・評価およびフローコントロールによる処理戦略の提案
Project/Area Number |
19360408
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松藤 敏彦 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (00165838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 安匡 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70250470)
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Keywords | 廃棄物処理 / 埋立地 / 安定化 / モデル |
Research Abstract |
一般廃棄物埋立地において,ガス移動のメカニズムを明らかにした。38本のガス抜き管において,出口からのガス流速,ガス濃度の測定,また4本のガス抜き管においてガス濃度,温度,およびガス流速の垂直分布を測定した。ガス流速は,COガスを用いたトレーサ実験によって測定した。ガス濃度分布はガス抜き管ごとに異なるが,ほとんどの場合15~20mの深さにおいても窒素が存在し,空気が底部まで侵入していることがわかった。ガス流速は上部ほど増加し,またメタンガスと窒素の割合はほぼ一定である。このことより,ガス抜き管は埋立ガスの排出とともに空気の引き込みの効果があることを明らかにした。空気の流量が温度と正の相関があることから,好気分解によって廃棄物層の温度が上昇し,その熱によってガス抜き管内に密度差が生じたためと考えられる。表面に積雪がある冬期も空気の流入があることから,空気の移動は水平方向である。 本研究を総合すると,次のようになる。廃棄物埋立地内部の状態を知るため,有機物の指標として炭素収支推定の意義と可能性を示し,多数のガス抜き管における測定により浸出水とガスの動きを推定した。またガス抜き管埋設による周囲からの空気引き込みは,長期化が懸念される埋立地の安定化促進に向けた新たな方法を示唆する重要な発見である。
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Research Products
(8 results)