2007 Fiscal Year Annual Research Report
不定比プルトニウム酸化物の酸素欠陥に関する微視的電子状態の研究
Project/Area Number |
19360422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小無 健司 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (10250812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健哉 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター, 課長 (60421781)
逢坂 正彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター, 研究員 (10421471)
三輪 周平 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 大洗研究開発センター, 研究員 (50421780)
神戸 振作 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40224886)
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00260448)
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Keywords | 原子力エネルギー / 物性実験 |
Research Abstract |
原子炉炉心燃料の開発には、原子炉運転中に想定される様々な使用条件に対する物性データの整備が不可欠である。本研究では、原子炉炉心燃料の中でも実験データの少ないプルトニウム(PuO_<2-x>)酸化物の不定比性について理論計算と実験の両面から研究した。 PuO_<2-x>試料は高放射性物質であることから、極微量(〜数十mg)にて精度良く^<17>O-NMR測定を行う必要があり、このためには出発原料中の^<16>Oの除去、^<17>Oへの置換を高効率で行なう必要があった。本研究では窒化物を経由した調製方法により、これらの要求をクリアしNMR用試料調製手順を確立した。本年度はPuと物理化学的特性が類似するCeを用いた模擬実験を行った。不定比の異なるいくつかの^<17>O-NMR測定用のCe^<17>O_<2-x>を調製に成功した。これによりPuO_<2-x>のNMR用試料調製についても達成できる見通しを得た。 本年度は作成したCeO_2、CeO_<2-x>の^<17>O-NMR測定を行った。CeO_2は多くの点でPuO_2と同様の物性を示すため、CeO_2研究はPuO_2の欠陥構造解明のために重要である。欠陥のないCeO_2に比べて欠陥を持つCeO_<2-x>の^<17O>-NMRスペクトルは、半値幅にして約2.2倍も広がることがわかった。これから^<17>O-NMRスペクトルが酸素欠陥に敏感であり、欠陥評価に有効であることを明らかにした。 また、第一原理計算コード(VASP)をインストールしNMRの実験結果を解析できる環境を整備した。
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