2007 Fiscal Year Annual Research Report
電位勾配下におけるベントナイト中のイオンの移行挙動に関する研究
Project/Area Number |
19360430
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出光 一哉 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (10221079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 八穂広 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80203199)
有馬 立身 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60264090)
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Keywords | ベントナイト粘土 / みかけの拡散係数 / 分散係数 / 還元環境 / 鉄イオン / 間隙水pH / 放射性廃棄物 |
Research Abstract |
ベントナイト粘土中のイオンの移行挙動は、放射性廃棄物処分の安全評価のため重要であるが、地下の還元環境を模擬した実験は困難であった。また、イオンの中には移行の極めて遅いものがあり、その移行パラメータを現実的な期間で得るための手法が必要とされていた。提案者らは、電気化学的手法を用いて、ベントナイト粘土中に安定な還元環境を生み出し、粘土中のイオンの移動を加速して移行のパラメータを得る手法を開発した。 平成19年度は、実験装置の拡充を行ない、特に鉄の腐食によって生成する鉄イオンの移行挙動に関するパラメータを得た。本手法により、印加した電位に応じて腐食が加速されると共に、鉄イオンは移行を加速し約7目間で数mmの距離を移動した。また、鉄イオンはベントナイト粘土中のナトリウムイオンと置換しながら移動していることを確認した。得られた鉄イオン濃度分布を解析することにより、見かけの分散係数と見かけの電気泳動速度を得た。見かけの分散係数と見かけの電気泳動速度には比例関係があり、それらの関係から、ベントナイト粘土中の鉄イオンの見かけの拡散係数(約10^-<12>m^2/s)と分散長(0.5-0.6mm)を得た。 さらに、新たに開発した手法により、試験時のベントナイト粘土間隙水中のpHを測定した。電位によって異なるが、電位を印加する前では間隙中は約pH8程度、電位印加時の電極近傍では概ねpH5-7であることを確認した。 これらの結果より、次年度以降に行なう他のイオンのパラメータ取得のためのリファレンスを得た。
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Research Products
(6 results)