2007 Fiscal Year Annual Research Report
周生期ホルモン曝露による標的器官への不可逆的影響の分子メカニズム
Project/Area Number |
19370027
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
井口 泰泉 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90128588)
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Keywords | 周生期 / ホルモン / 不可逆化 |
Research Abstract |
女性ホルモンであるエストロゲンは、生殖をはじめとした様々な局面で重要な機能を果たしているが、ひとたびその制御システムが破たんをきたした場合、乳がんや子宮内膜症、不妊や骨粗鬆症などを引き起こすことが知られている。こうしたエストロゲンの制御システムの破たんの要因の1つとして、胎児期や幼若期におけるエストロゲン曝露による影響が懸念されている。本研究は、このエストロゲンによる制御システムの破たんの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。このモデルとして、不適切な時期(周生期)におけるエストロゲン曝露を行い、その成熟期における影響について解析を進めてきている。新生児期曝露を行ったマウスでは、成熟期の膣においてエストロゲン非依存的な細胞増殖が観察される。そこで、新生児期(生後5日まで)にエストロゲン曝露した群と成熟期(生後10週)にエストロゲン曝露した群を作製し、成熟期にマウス膣からRNAを抽出し、それぞれの遺伝子発現プロファイルを取得した。これらの遺伝子発現プロファイルの解析により、新生児期曝露に特異的に発現が変化した遺伝子をリストアップした。さらにこれらの遺伝子について、実際の遺伝子発現変化を定量PCRによって確認した後に、クロマチン免疫沈降法により、それぞれの遺伝子の制御領域を含むゲノム領域について、解析を進めている。特に、抗エストロゲン受容体抗体のみならず、抗修飾ヒストン抗体を用いることにより、エピジェネティックな変化の観点から解析を進めている。
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Research Products
(13 results)