2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア農林生態系におけるアリ類の種多様性とバイオインディケーターとしての利用
Project/Area Number |
19370035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 一夫 Kyushu University, 熱帯農学研究センター, 教授 (40224092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00161050)
紙谷 聡志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80274520)
津田 みどり 九州大学, 農学研究院, 助教 (20294910)
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Keywords | 生物多様性 / 熱帯アジア / アリ類 / 農業生態系 / 森林生態系 / 分類学情報 / データベース |
Research Abstract |
これまでに収集したサンプルデータを整理再検討し、参照コレクションの整備した。またいくつかの分類群からはDNAデータの抽出を試みた。画像を含めた分類情報を整備、データベースのフレームを整備し、データのデジタル化を開始した。 屋久島では農地生態系から森林生態系について調査より7亜科32属63種のアリの分布が確認され、これまでの記録を整理すると7亜科36属84種が分布していることが明らかとなった。このうち農地には26種が分布している。タイ東部では土壌動物採集方法の検討を行い、ウィンクラー抽出法とツルグレン抽出法による採集効率の比較を行った。タイ北部の山間地農林生態系では5つの土地利用区分(キャベツ栽培地、焼畑1年休閑地、8年休閑地、野生茶利用森林、山地林)から計14プロットについてコドラート法により採集し、10亜科48属125種のアリが確認された。指標種分析によりこれら5つの生態系での指標種の抽出を試みた。なお、データの解析方法についても検討を行った。 分類学的情報の整備については、アギトアリ属やPerissomyrmex属について整理し、また現在東南アジアのシリアゲアリ属についてすすめている。シリアゲアリ属は分類が未整備で同定が困難であるが、ミトコンドリアの16sの領域より分子データの抽出を試み、これまで約20種について試行し一部では良好な結果を得ている。なお、我が国のアリの種データベースについて更新すると同時にCD版を公表し、普通種については図鑑として出版し、侵略的外来種として有名なヒアリについて分類を分布についての情報を整理し単行本の一部として出版している。
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Research Products
(14 results)