2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホタルルシフェラーゼは発光反応をどのように制御しているか
Project/Area Number |
19370039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中津 亨 Kyoto University, 薬学研究科, 准教授 (50293949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 教授 (80199075)
加藤 太一郎 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (60423901)
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Keywords | ルシフェラーゼ / 発光反応 / X線結晶構造解析 / 量子収率 / ルシフェリン / オキシルシフェリン / ルシフェリン再生酵素 |
Research Abstract |
ホタルによる黄緑色の発光反応は、発光基質ルシフェリンと、ATP、分子状酸素、そして発光反応を触媒するタンパク質であるルシフェラーゼによる酵素反応である。この発光反応はATPとルシフェリンが反応しルシフェリルAMP中間体がルシフェラーゼ中で-旦生じる。その後酸化反応が起こり生成してきた励起状態のオキシルシフェリンが基底状態に落ちる際、励起エネルギーが光として放出され発光するという2段階で生じる。この反応において、発光基質であるルシフェリンが同じであるにもかかわらず、酵素であるルシフェラーゼのわずか1アミノ酸置換により、発光色が赤色に変化することが知られている。そしてこの発光色変化は触媒付近のみならず、触媒機能とは全く異なる部分の変異でも生じることが知られている。しかしながらなぜこのようなことが生じるのか、その詳細なメカニズムは不明である。そこで反応の詳細を明らかにするために、1アミノ酸置換発光色変異体について、反応の1段階目と2段階目の活性をそれぞれ測定した。すると、第1段階目の活性はほとんど変化がないにもかかわらず、発光反応が激減する変異体が見つかった。このように発光反応を考える上でどのアミノ酸がどの反応に関わっているのかに関してもより詳細な機構を明らかにしていく必要性が明らかとなった。またホタルにおける発光は明滅が繰り返されており、ルシフェラーゼだけではこの現象を行うことができない。明滅を行うためには生成物であるオキシルシフェリンをルシフェリンに変換するルシフェリン再生酵素が必要である。そこでルシフェリン再生酵素のX線結晶構造解析を行い、1.4A分解能で全体構造を決定した。決定したルシフェリン再生酵素の立体構造は6-bladed β-propeller構造であった。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] X-ray crystallographic study of an HIV-1 fusion inhibitor with the gp41 S138A substitutio2009
Author(s)
Watabe T, Terakawa Y, Watanabe K, Ohno H, Nakano H, Nakatsu T, Kato H, Izumi K, Kodama E, Matsuoka M, Kitaura K, Oishi S, Fujii N.
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Journal Title
J Mol Biol. 392
Pages: 657-665
Peer Reviewed
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