2008 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質動態が制御する表皮と毛包形成のメカニズム
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19370057
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
深見 希代子 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (40181242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 英樹 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (10345035)
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Keywords | 毛形成 / ヌードマウス / ホスフォリパーゼ C / Foxn1 / ヘアケラチン |
Research Abstract |
申請者らは、PhospholipaseCδ1(PLC δ1)の遺伝子欠損(KO)マウスが毛包の形態異常を伴う顕著な体毛の減少を示すことを報告してきた。PLCδ1KOマウスとよく似たマウスであるヌードマウスとの毛形成でのシグナルの共通性に着目した結果、ヌードマウスの原因遺伝子であるFoxn1→PLCδ1→mHa3というシグナルの流れが存在することが判明した。更にヌードマウスの体毛減少がPLCδ1の発現低下のみで説明できるのであれば、ヌードマウスにPLCδ1を発現させることにより、体毛が正常に形成されるようになることが期待されるので、ヌードマウスの原因遺伝子であるFoxn1プロモーター制御下でPLCδ1cDNAを発現するTGマウスを作製した。このTGマウスでは毛形成は回復しなかったが、毛包は形成され、ヘアケラチンも部分的に回復することが判明した。このことから、Foxn1の下流にはPLCδ1以外の分子を介したシグナル経路が存在し、ヘアケラチンの発現に関与することが示唆された。 1. PLCδ1はヌードマスシグナルFoxn1の流に存在する:Foxn1, PLCδ1, mHa3の局在をin situ hybridizationにより検討した所、これらのmRNAはいずれも毛の形成に重要なprecortex部位に発現が見られ、機能的な関連性が高いことが示唆された。またヌードマウスの皮膚におけるPLCδ1発現量の発現量を、検討した所、mRNA,タンパク質共に、顕著なPLCδ1発現量の減少が確認された。このことより、Foxn1→PLCδ1→mHa3というシグナルの流れが存在することが判明した。 2.「ヌードマスの体毛減少はPLCδ1欠損が原因である」ことの個体レベルでの検証:ヌードマウスにFoxn1プロモーター制御下でPLCδ1cDNAを発現するTGマウスを作製した。毛形成は回復しなかったが、毛包は形成され、ヘアケラチンも部分的に回復することが判明した。このことから、Foxn1の下流にはPLCδ1以外の分子を介したシグナル経路が存在し、ヘアケラチンの発現に関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)