2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370080
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
馬渕 一誠 Gakushuin University, 理学部, 教授 (40012520)
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Keywords | 細胞 / タンパク質 / 生体分子 / シグナル伝達 / 電子顕微鏡 / 細胞分裂 / 収縮環 / アクチンフィラメント |
Research Abstract |
卵細胞の分裂関連因子:細胞質分裂中のウニ卵から分裂溝を単離し、2次元電気泳動と免疫ブロッティングによりペプチド延長因子EF1αとEF1βγδ複合体が濃縮されていることを見いだした。In vitro実験によりEF1αはアクチンフィラメントを束化する活性を持つことが分かった。束化能はGTPγS存在下で高く、GDP存在下で低かった。Ca-カルモデュリンとEF1βは束化を阻害した。プルダウン実験により、EF1αとEF1βは細胞質中で結合していることが分かった。蛍光抗体法によりEF1αとEF1βは細胞質分裂時に分裂溝に濃縮することが分かった。さらにEF1α抗体あるいはEF1βを生きた卵に顕微注入する進行中の分裂溝が元に戻ってしまった。これらの結果から、収縮環の構造がEF1αとEFIβの活性により調節されるという仮説を提唱した。 分裂期のミオシン集積とリン酸化:GFP-ミオシンを発現したショウジョウバエS2細胞でミオシン分子のダイナミクスを解析した結果、ミオシンは収縮環形成期に細胞質に拡散している分子が赤道面表層で捕捉されることで分裂位置に集積することが分かった。さらに捕捉には調節軽鎖の活性化リン酸化および重鎖のフィラメント形成が必要であることを明らかにした。 分裂酵母収縮環の形成過程:出芽酵母のアクチン結合タンパク質ABP140のアクチン結合ペプチドLifeactと蛍光タンパク質mRubyの融合タンパク質を分裂酵母内に発現させてアクチンを可視化し、分裂過程でのライブイメージングを行った。分裂期に入ると細胞中央部にアクチンの集積が見られ、そこからアクチンケーブルがダイナミックに伸びたり消えたりするのが見られた。やがて1本のケーブルが細胞赤道部で安定化されて収縮環となった。この結果は私達が提唱しているアスター様構造-先導ケーブル仮説を支持する。
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