2009 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の初期形態形成システムにおけるギャップ遺伝子群の機能進化
Project/Area Number |
19370095
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野地 澄晴 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40156211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 淑代 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (00253229)
三戸 太郎 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80322254)
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Keywords | コオロギ / 初期形態形成 / Otd / トランスジェニックコオロギ / 細胞移動 / caudal / miRNA |
Research Abstract |
コオロギの発生様式は中胚型であり、シンシチュウム後に、発生初期に頭部と胸部が形成され、その後に後部が伸長する。この発生様式はショウジョウバエの発生様式である長胚型、つまりシンシチユウムの間に総ての体節が形成される発生様式とは異たるが、相同遺伝子が形態形成に使用されている。この謎解明するために、昨年度piggybackを用いてトランスジェニックコオロギを世界初に作製することに成功した。アクチンプロモターでEGFPを発現するコオロギを用いて、まずコオロギの初期発生の細胞の移動について詳細な解析を行った。そめ結果、初期に卵の表面付近で形成された細胞は、まず左右に独立に移動し、細胞集団を形成し、その後その左右の集団は中央腹側に移動し、胚を形成するが、細胞が形成される以前にすでに細胞に位置情報が付与されており、それを維持して細胞移動することがわかった。また、ショウジョウバエの胚の前部の形態形成に関与するOtdが、頭部の位置情報関与に関係していることが示唆された。これらの結果から、ショウジョウバエのビコイドは存在しないが、細胞化して初期発生する前に、シンシチュウムの時期に位置情報が付与されていることから、ショウジョウバエとコオロギの発生様式の関係は、ヘテロクロニティー、つまり発生段階の時間的なずれによるものであると考えられた。これらのことにより、相同遺伝子が同様に使用されている謎も解かれ、昆虫の発生の進化のメカニズム解明に大きな示唆を得たことになる。
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Research Products
(4 results)