2007 Fiscal Year Annual Research Report
カキのタンニン蓄積制御遺伝子の探索とそれを利用したゲノム構成の解析と実生選抜
Project/Area Number |
19380019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米森 敬三 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (10111949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 昌彦 農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所・ブドウ・カキ研究チーム, 上席研究官 (00355439)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10211997)
北島 宣 近畿大学, 農学部, 講師 (70135549)
山根 久代 京都大学, 農学研究科, 助教 (80335306)
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Keywords | 甘渋性関与遺伝子 / DNAマーカー / 倍数体 / 遺伝子発現 / フラボノイド合成 / プロアントシアニジン / 羅田甜柿 / タンニン細胞 |
Research Abstract |
日本のカキの甘渋性形質発現に関与する遺伝子探索のための基礎となるコンティグを、二倍体の近縁野生種であるマメガキ(Diospyros lotus)ゲノミッククローンから構築した。さらに、このマメガキから構築したコンティグのいくつかの部位の塩基配列からプライマーを作製し、このプライマーをカキ'次郎'および'西村早生'から抽出したDNAを用いたPCR分析に適用した後、マメガキとカキの対応する部位の塩基配列を比較したところ、その配列の非常に高い類似性を確認した。すなわち、今後、このマメガキより構築したコンティグを用い、カキの甘渋性形質発現に関与する遺伝子の位置を特定できる可能性が明らかとなった。 一方、日本のカキの甘渋性形質発現に関与する遺伝子に密接に連鎖するマーカー部位の塩基配列を用い、カキのこの目的遺伝子のゲノム内でのコピー数を定量PCRにより解析したところ、カキのゲノム内に6コピーこの遺伝子を有している可能性がはじめて明らかになった。さらに、このマーカー部位の塩基配列多型を定量PCR分析に利用することで、日本のカキ品種の甘渋性発現に関与するこの連鎖マーカーの遺伝子型を決定することができ、カキの品種分化の考察に利用できる可能性が明らかになった。 なお、'羅田甜柿'のタンニン構成成分は日本の渋ガキに類似しており、中国の完全甘ガキが日本のそれとは全く異なる機作によって生じたことが確認できた。この中国の完全甘ガキが有する完全甘ガキ発現に関与する遺伝子探索のため、現在、'羅田甜柿'から作製したゲノミッククローンの解析を実施している。
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Research Products
(4 results)